令和7年度 第2回福島県立医科大学医学部留学生交流発表会を開催しました
令和7年7月22日(火)、本学5号館第7講義室にて、「令和7年度 第2回福島県立医科大学医学部留学生交流発表会」が開催されました。本発表会は、国際交流センターが主催し、海外の医療事情や国際交流への学生の関心を高め、本学のグローバルな学習環境を推進することを目的としています。
本学の国際学術交流協定に基づき、ニューヨークのマウントサイナイ医科大学及び国立台湾大学へ留学した医学部6年生4名と、マウントサイナイ医科大学から本学へ留学中の2名が、それぞれの留学経験について発表しました。発表および進行はすべて英語で行われ、会場には多くの学生や教職員が参加しました。
当日は、国際交流センター副センター長ノレット・ケネス教授の司会で、センター長山下俊一副学長の挨拶から始まりました。山下センター長からは、福島原発事故という複合災害を経験した本学で学ぶ意義と海外留学が、地域課題から世界へ視野を広げ、そして世界的視点から地域医療への貢献を目指すというグローカリゼーションの実践の契機になることへの期待が表明されました。次に下村教授より、学生のうちに世界の現実を直接見ることができたのは貴重な機会であり、日本の医療と研究を向上させるという挑戦をしてほしいと述べました。
国立台湾大学へ留学した渡邉小次郎さん、大内遥太朗さんからは、台湾の救急医療体制や災害医療における日本との比較、患者の自己負担が少ない在宅医療の実情などが報告されました。また、宗教観が医療に与える影響や、仏教の僧侶がケアに関わる台湾独自の文化についても紹介がありました。
マウントサイナイ医科大学へ留学した加藤里菜さん、松井真宏さんは、多言語・多文化が共存するニューヨークの医療現場での経験を共有しました。先進的な電子カルテシステムや、医学生が主体的に医療へ参加する「スチューデント・ラン・クリニック」の様子、さらに9.11メモリアル・ミュージアム訪問を通じて感じた災害後のメンタルヘルスケアの重要性など、多角的な視点からの報告が行われました。
マウントサイナイ医科大学から本学へ留学中のBenjamin Nikitinさん、George Kramerさんは、福島での研究活動や生活について発表しました。本学の研究室で取り組んでいる小児甲状腺がんに関する研究内容を共有するとともに、日本の災害医療への関心の高さや、皆保険制度と米国の医療制度との違いから得た気づきを述べました。
各発表後には活発な質疑応答が交わされ、学生たちは互いの経験から学び、相互理解を深める貴重な機会となりました。閉会の挨拶では、坪倉先生より、この経験を単なる思い出に終わらせず、将来の医療や国際関係の発展に繋げてほしいという、次代を担う学生たちへの期待と激励の言葉が送られました。
本学は今後も、国際社会で活躍できる医療人の育成を目指し、このような国際交流活動を積極的に推進してまいります。





