令和7年度 第1回福島県立医科大学医学部留学生交流発表会を開催しました

 令和7年6月30日(月)、本学5号館第7講義室にて「令和7年度 第1回福島県立医科大学医学部留学生交流発表会」を開催しました。本学の国際学術交流協定に基づき、シンガポール国立大学(NUS)での臨床実習を終えた医学部4年生2名が、その成果を発表するもので、国際交流センターが主催しました。当日はノレット・ケネス副センター長の機知に富む司会の流れの中で、多くの学生や教職員が参加し、アジアをリードする最先端医療の現場で得た学びを共有する貴重な機会となりました 。発表及び進行はすべて英語で行われ、本学のグローバルな学習環境の推進を象徴する取り組みとなりました。

 はじめに、国際交流センター長の山下俊一副学長が挨拶され、海外への学生派遣成果についての報告会が、次の学生派遣につながる期待を表明されました。次に、医学部消化管外科学講座の河野浩二主任教授が挨拶を行いました。河野教授は、世界トップ10に入るNUSとの学術交流が実現した経緯を紹介し、このプログラムを通じて学生たちがハイレベルな環境で学ぶことへの期待を述べました。

 続いて、医学部4年の大橋由生さんが、NUSの医学教育センターでの経験を中心に発表しました 。大橋さんは、基礎科学と臨床科学を初期段階から統合して学ぶNUSの「統合カリキュラム」と、講義をオンラインで事前学習し、授業時間をディスカッションやグループワークに充てる「反転授業」を紹介。現地の医師から聞いた「私たちの使命は、学生がより効率的に学び、実生活で役立つことを確実に学ぶようにすることだ」という言葉に深く感銘を受け、現状に満足せず常に教育の改善を目指すことの重要性を力強く語りました。

 次に、同じく4年の福田みちるさんが、シンガポールでの外科実習や日常生活について報告しました 。特に、多くの女性医師が子育てをしながら活躍している現地の状況に注目し、保育施設の充実や出産を「権利」と捉える文化に触れ、「日本では多くの女性が出産を機に仕事を辞める現状とは大きく異なる」と指摘しました 。その上で、「自分の人生を大切にしながら医師としての仕事を続け、女性が働きやすい環境づくりに貢献したい」と自身の目標を述べました。

 質疑応答では、参加した学生から活発な質問が寄せられました 。最後に、坪倉正治教授が総括を行い、交換留学を通して、相手大学、そして本学に何を還元できるかを考え、その経験を後輩や大学の教育システム向上のために活かしてほしいと、留学の意義と参加学生への期待を語り、発表会を締めくくりました。

 本発表会は、留学を経験した学生の成長を共有するとともに、参加した学生の国際交流への関心を喚起し、グローバルな視野を広げる貴重な機会となりました。本学は今後も、国際社会で活躍できる医療人の育成を目指し、海外大学との学術交流を一層推進してまいります。

発表の様子(大橋由生さん)
発表の様子(福田みちるさん)
交流発表会参加者の集合写真

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