リュージュ(龍樹)の伝言
第1回:解題
2012/11/10
あのひとは あわててるころよ
バスルームにルージュの伝言
てあたりしだいに 友達をたずねるかしら
私の行く先を
不安な気持ちを残したまま
街はDing-Dong遠ざかっていくわ
~「ルージュの伝言」(1975)作詞:荒井由美~
当講座(地域・家庭医療学を英語で表記したCommunity and Family Medicineから適当に略して私たちはComFaM「コムファム」と呼んでいる)のホームページをリニューアルするにあたり、私にもブログのようなものを書くことをComFaMのメンバーから提案された。ご丁寧に皆はそのブログのタイトルも考案していた。私の名前を別の読み方(実はナーガールジュナの中国名)で発音した「リュージュ」を「ルージュ」にもじり、役割として国内外の出張が多い私に「ちゃんと伝言を残しておいて下さいよ」というようなノリらしい。
「ルージュの伝言」はもちろん有名な歌で私も好きであるが、どうも私のブログのタイトルには合わないかもしれない。ところが、ここではっと気が付いたことがある。それはこの「ルージュの伝言」はアニメ「魔女の宅急便」(原作:角野栄子、監督:宮崎駿、1989)でテーマ音楽として採用されており、このアニメに使われているもうひとつの歌も荒井由美が作った歌である。
小さい頃は神さまがいて
不思議に夢をかなえてくれた
やさしい気持ちで目覚めた朝は
おとなになっても 奇蹟はおこるよ
カーテンを開いて 静かな木漏れ陽の
やさしさに包まれたなら きっと
目にうつる全てのことは メッセージ
~「やさしさに包まれたなら」(1974)作詞:荒井由美~
これなら私のブログにふさわしい!私はほくそ笑んだ。小さな頃、夢、やさしさ、奇蹟、…そしてメッセージ。まさに家庭医らしい(笑)。
確かに私が福島県内、県外、国外と駆け回ってプライマリ・ケアと福島県での取り組みのプロフィールを上げることと家庭医養成システム構築のインフラを整備することは重要な仕事で、昨年の大災害後は特にそうである。ただ、どうしてもComFaMメンバーひとりひとりの思いを聴き、私自身の気持ちを伝える時間が限られてしまうのがとても残念だ。
バスルームに書かれた「ルージュの伝言」のように明らかではなくても、これからこのブログに書かれる「全てのことはメッセージ」である。注意深く読んで、そして楽しんでほしい。