専門研修プログラム

プログラムディレクターのメッセージ

新しい総合診療専門医へ

プログラムディレクターのメッセージ  諸外国にはかなり遅れをとっていますが、ようやく我が国でも専門医制度が施行されることになりました。基本領域専門医は19種類あり、世界で家庭医療学(family medicine)と呼ばれる専門領域の専門医(family doctor)は、日本では新たに「総合診療専門医」という名称で呼ばれることになり、基本領域専門医の1つに加えられました。今年はその後期研修プログラムのカリキュラムなどが決められ、平成29年(2017年)度からこの新制度での後期研修がスタートする見込みです。
 この新制度での特徴は、地域を基盤とした「家庭医」としての能力と病院を基盤とした「病院総合医」としての能力とを両方備えることを要求していることです。幸い本学の家庭医療学専門医コースではさまざまなセッティングでの魅力的な診療所-病院群を組み合わせて研修ができるので、2つの臨床能力をバランスよく身につけることができます。地域医療を目指す奨学生にも最適です。
 福島を応援する世界の多数の家庭医療学エキスパートとの交流からグローバル・スタンダードも学びつつ、日本と福島の文化・風土や地域の実情にあった温もりのある総合診療専門医としてみなさん
がキャリアを伸ばしていけるように、スタッフ全員が全力でサポー
トをしていきます。

後期研修プログラム責任者
地域・家庭医療学講座 主任教授
葛西龍樹

家庭医が関わるのは人間

Ian R. McWhinney
 家庭医が関わるのは、特定の知識体系や疾患群や特殊な技術ではなく、人間です。その関わりは2つの意味で制限がありません。
第1に、それは健康問題の種類によって制限されません。家庭医は、性別や年齢に関係なく、その人に起こるどのような健康問題にも対応します。家庭医の診療は狭義の健康問題に限られることもありません。患者が問題を定義するのです。これは、家庭医が「申し訳ありませんが、あなたの病気は私の専門外です」と決して言うことができない、ということを意味します。私たちの患者一人ひとりに起こるどんな健康問題も、私たちの専門領域内にあるのです。専門的治療のために患者を紹介しなくてはならないこともありますが、その場合でも、私たちは初期評価、そしてケアの調整と継続性に対して責任を負っているのです。第2に、その関わりには終点と定義されるものがありません。それは、1つの病気の治癒、1つの治療コースの終了によって、あるいは1つの病気が治癒しないことによっても終わるわけではありません。多くの場合、その関わりはその人が健康な時から、すなわちどんな問題が生じるより前に始まっています。言い換えれば、家庭医療学は人間関係によって自らを定義しており、そのことが、臨床医学の主要な領域の中で家庭医療学を他に類のないものとしているのです。

プログラムの概要

福島県立医科大学は、全国の大学に先駆けて地域・家庭医療部(2006年)、地域・家庭医療学講座(2010年)を設立し、地域を基盤とした家庭医育成プログラムを創出しました。プライマリ・ケアの現場での診療・教育・研究を展開するため、他大学とは異なり大学病院内に診療拠点はなく、県内6ヶ所の地域に存在する医療機関へ当講座のスタッフを派遣して、医学生、初期研修医、専攻医の臨床教育を行ってきた10年の実績があります。

福島県立医科大学では、2015年(平成27年)に医学部を卒業した医師を対象としたの総合診療専門研修コース(新専門医制度)と2014年(平成26年)以前に医学部を卒業した医師を対象とした家庭医療学専門医コース(日本プライマリ・ケア連合学会認定)を設置しています。総合診療専門研修コースと家庭医療学専門医コースは、制度上の違いはありますが内容は同等です。

研修プログラムは、このよく機能するネットワークをさらに質・量ともに拡大し、福島県庁の後援も受けつつ、県内の他専門研修プログラムとも連携して「オール福島で家庭医・総合診療専門医を育成する」専門研修プログラム・コンソーシアムを構築していることが大きな特徴です。県内ほぼ全域の地域に広がる公的・民間の垣根を越えた医療機関の協力により、専攻医の志向性に合わせて多彩な臨床現場での研修を積むことができる特色を持っています。

本プログラムは、初期臨床研修修了者、またはそれに準ずる研修を経て、総合診療/家庭医療専門研修を希望する医師が対象です。3年間のプログラムで総合診療専門医/家庭医療専門医として診療するために必要な知識・技術・能力を身に付けるための研修を提供します。

研修スケジュール例

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
1年目 施設 研修協力病院
領域 内科 小児科 救急
2年目 施設 研修協力病院 研修協力病院
領域 総診Ⅱ(病院総合診療) 選択研修
3年目 施設 研修協力診療所
領域 総診Ⅰ(診療所)

本プログラムは、福島県内各地の医療機関を研修拠点にしています。研修場所として、都市部・農村部・へき地など地理的条件や、無床・有床診療所、中小病院など、様々なセッティングを選択可能です。研修医療機関の選択は、研修する医師の希望を重視し、各医療機関で提供できる研修内容を考えて講座のスタッフがコーディネートします。

研修協力医療機関(2016年時点)

研修協力病院 研修協力診療所
かしま病院
大原綜合病院
白河厚生総合病院
南相馬市立総合病院
公立相馬総合病院
公立藤田総合病院
福島赤十字病院
医療生協わたり病院
星総合病院
太田西ノ内病院
寿泉堂綜合病院
地域医療推進機構二本松病院
公立岩瀬病院
白河厚生総合病院
福島県立医科大学附属会津医療センター
竹田綜合病院
会津中央病院
福島県立南会津病院
保原中央クリニック
喜多方市地域・家庭医療センター
ほし横塚クリニック
只見町国民健康保険朝日診療所

本プログラムでは、各拠点の指導医はもちろん、個性豊かな指導医が専攻医のニーズに合わせ研修をサポートします。月例の専攻医向け勉強会(Family Medicine Resident Forum)、毎週開催されるインターネットを介したカンファレンスや勉強会、他研修プログラムとの合同勉強会、海外ゲストを招いての特別フォーラムなど、学ぶ機会が数多く提供されます。3年間の研修では、総合診療専門医試験/家庭医療専門医試験の受験支援も行います(提出ポートフォリオ作成支援、独自作成の模擬試験など)。

研修修了後の進路

研修終了後も当講座の指導医として専攻医の指導や各診療拠点の運営に関わることが可能です。また当講座の大学教員として医学生や初期研修医の教育に関わること、大学院博士課程に進学し研究について学ぶことも可能です。

フェローシップ

当講座では、家庭医療学専門医コース修了後の1年間オプションとしてフェローシップを準備しています。

家庭医療指導医養成フェローシップ
指導医として後進指導に当たるために必要な知識・能力を身につける1年間のフェローシップです。
病院総合医フェローシップ
かしま病院(いわき市)などで、病院総合医として外来、病棟、集中治療、救急診療に従事するために必要な 知識・能力を身につけるフェローシップです。

福島でこそ学べる家庭医療があります。ご応募お待ちしております。


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