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福島県立医科大学 トピックス

本学大戸斉副学長が昭和天皇記念学術賞を受賞しました

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この度、本学大戸斉副学長が「昭和天皇記念学術賞」を受賞しました。輸血医学において、輸血治療の安全性向上に向けた臨床及び研究を継続実践してきたことや、献血血液の有効利用と輸血の安全性の向上及び適正輸血の推進を通じて血液事業に貢献してきたことが評価され、本受賞につながりました。

表彰式は、令和5年7月26日(水)に千葉市で開催された第59回献血運動推進全国大会の場にて執り行われました。
 本受賞を受け、大戸斉副学長は「格式高い賞をいただき、恐れ多さと喜びが混じった気持ち。研究成果が世界的な研究につながり、多くの人にとって有益になればうれしい。今回の受賞で福島県立医科大学には世界に通用する研究、臨床、実践ができる環境があると証明されたと思う。」と述べ、研究成果が世界的に恩恵をもたらすことに期待を込めました。

受賞理由となった主な功績は以下の通りです。
  • 採血後3日間であった血小板製剤の有効期限を4日間に延長することを可能とした。また、酸素透過性の高い高性能バッグを共同開発し広域需給調整を容易とした。
  • かつて日本で多発していた輸血後移植片対宿主病(TA-GVHD)について、全ての血液細胞製剤への放射線照射を提唱し日本からのTA-GVHD根絶に寄与した。
  • B型・C型肝炎ウイルスの母子感染防止を目的に、自治医科大学や筑波大学などとの共同研究によりHCV感染のリスク因子を同定。その結果、HCV陽性率が著明に低下した。
  • 輸血の安全性向上のために、輸血学会認定医(1992年)、認定輸血検査技師(1995年)、学会認定・自己血輸血看護師(2008年)、学会認定・臨床輸血看護師(2010年)、学会認定・アフェレーシスナース(2010年)を学会責任者として導入し、適正な臨床検査と適正な輸血のための根幹的制度を整備した。
  • 1991年に本学附属病院で同定不能な広範囲反応性抗体を日本赤十字社とともに検索し、既知の血液型関連抗体とは輸血血清学的に異なることを見出した。2018年に東京大学と共同研究でその遺伝子を同定しKANNO抗原はプリオン蛋白にあり、KANNO抗原陰性は東アジア人に特異的な赤血球抗原変異であることを発見。2020年には国際輸血学会によって37番目の血液型として認定され日本初の快挙となった。

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