英国雑誌「International Journal of Retina and Vitreous」掲載(2026年9月)
Comparison of submacular hemorrhage incidences under aflibercept and faricimab treat-and-extend regimens in neovascular age-related macular degeneration
新生血管型加齢黄斑変性に対するアフリベルセプトおよびファリシマブのTreat-and-Extend療法おける黄斑下出血発生率の比較
本庄 純一郎(ほんじょう・じゅんいちろう)
眼科学講座 助教
研究グループ
本庄純一郎・向井亮・土屋雄一郎・塩谷雅・板垣可奈子・田中啓一郎・則川晃希・加藤寛・石龍鉄樹
概要
論文掲載雑誌:「International Journal of Retina and Vitreous」 (2026年9月)
新生血管型加齢黄斑変性(nAMD)は、網膜の中心部である黄斑に異常な新生血管が生じ、視力低下をきたす眼疾患です。現在は眼内に血管内皮増殖因子 (VEGF) 阻害薬を投与する抗VEGF療法が標準的な治療として行われていますが、治療中に黄斑部に出血(黄斑下出血)を生じると、その後の視力に大きな影響を及ぼすことがあります。
本研究では、当院で治療を行ったnAMD 238眼を対象として、抗VEGF薬であるアフリベルセプトとファリシマブによる治療中の黄斑下出血の発症について比較しました。全体では両薬剤間の発症率に統計学的な有意差は認めませんでしたが、82歳以下の患者さんを対象とした探索的な解析では、ファリシマブ治療群で黄斑下出血が少ないという結果が得られました。また、黄斑下出血を発症した症例では視力の経過が不良であることも確認されました。
今回の結果は、ファリシマブが黄斑下出血を予防することを直接証明するものではありませんが、nAMDの治療中に生じる重篤な出血を防ぐための治療法を考えるうえで、今後の研究につながる知見と考えられます。
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