国際学会英文雑誌「Journal of Magnetic Resonance Imaging」掲載(2026年7月)

Direct Observation of Dynamic Cerebrospinal Fluid Flow Velocity in the Lumbar Spinal Canal During Deep Respiration Using a Modified Time Spatial Labeling Inversion Pulse Technique

改良Time-SLIP法による深呼吸時の腰椎脊柱管内における脳脊髄液動態の観察

放射線医学講座の山國遼助教のポートレート。白衣を着て正面を向いている。

山國 遼(やまくに・りょう)

放射線医学講座 助教

放射線医学講座の伊藤浩教授のポートレート。白いワイシャツを着て正面を向いている。

伊藤 浩(いとう・ひろし)

放射線医学講座 教授

研究グループ

山國 遼(放射線医学講座)、清野 真也(放射線部)、各務 竹康(衛生学・予防医学講座)、石川 寛延(放射線部)、関野 啓文(放射線医学講座)、石井 士朗(放射線医学講座)、小林 洋(整形外科学講座)、二階堂 琢也(整形外科学講座)、渡邉 和之(整形外科学講座)、大谷 晃司(整形外科学講座)、福島 賢慈(放射線医学講座)、松本 嘉寛(整形外科学講座)、伊藤 浩(放射線医学講座)

概要

論文掲載雑誌:「Journal of Magnetic Resonance Imaging」 (2026年7月)


腰椎MRIは腰部脊柱管狭窄症(LSS)の精査のために重要な検査である。LSSの重症度診断は“脊柱管内がどれだけ狭窄しているかどうか?”により診断が行われている。しかし、狭窄の程度と症状が必ずしも一致しないなど、画像所見と症状に乖離が認められることがある。これは狭窄部の真の狭窄の評価―つまり脳脊髄液(CSF)が通過可能かどうかや馬尾の可動性が保たれているか―を通常の静的MRIでは評価できないから、と考えられる。我々は、既存の臨床用MRIに搭載されているTime-SLIP撮像法を発展させた、Deep Abdominal Breathing-induced CSF Flow Imaging with Time-SLIP (DAB Time-SLIP)と呼ぶ、腰部脊柱管内のCSFの動きを動的に可視化できる新たな方法を開発した。本手法は既存のPhase contrast法と異なり、CSF動態の可視化や速度測定のための高価なワークステーションは不要であり、視覚的にも判りやすく、短時間で撮像が可能である。本研究では、このDAB Time-SLIPを10名のボランティアに対して実施し、DAB Time-SLIPによって腰椎領域の深呼吸によるCSFの動きが普遍的に観察可能であることを、初めて明らかにした研究である。具体的には、吸気時に頭側に呼気時に尾側にむかうCSFの動きが確認され、その波形はハーゲンポアズイユの波の形状に類似していた。局所差も認められ、尾側に向かうにつれてCSFの動きは弱くなっていった。これらの所見は10名全員で共通して認められた。本撮像手法はLSSの重症度判定や病態解析のための新たなMRI撮像手法として有用であると考えられる。

連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部 放射線医学講座
電話:024-547-1111(代)
学科ホームページ:https://www.fmu.ac.jp/education/medicine/department/rad/
本研究の紹介ページ:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42455513/
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jmri.70461
メールアドレス:rad@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため一部全角表記しています)

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