ドイツ雑誌「Graefe’s archive for clinical and experimental ophthalmology」掲載(2026年6月)

Long-term analysis of fibrosis in neovascular age-related macular degeneration: A 7-year follow-up

新生血管型加齢黄斑変性における線維化の長期経過:7年間の追跡調査

眼科学講座の本庄純一郎助教のポートレート。白衣にネクタイを着用しまじめな表情で正面を見ている

本庄 純一郎(ほんじょう・じゅんいちろう)

眼科学講座 助教

研究グループ

本庄純一郎・向井亮・板垣可奈子・加藤裕花・土屋雄一郎・塩谷雅・田中啓一郎・則川晃希・加藤寛・笠井暁仁・石龍鉄樹

概要

論文掲載雑誌:「Graefe’s archive for clinical and experimental ophthalmology」 (2026年6月)


 加齢黄斑変性は、高齢者の視力低下や失明の原因となる代表的な眼疾患です。現在では、血管内皮増殖因子 (VEGF) 阻害薬の硝子体内注射によって多くの患者さんで視力の維持・改善が期待できますが、治療を継続しても網膜の中心部に「線維化」と呼ばれる瘢痕組織が形成されることがあり、一度生じると視力障害の改善は困難とされています。

 本研究では、福島県立医科大学附属病院で治療を受けた新生血管型加齢黄斑変性患者301名を対象に、7年間という長期にわたり経過を追跡し、線維化の発生頻度や関連する因子を解析しました。その結果、7年間で約4人に1人(24.3%)に線維化が認められ、治療開始時の視力や網膜の厚さ、網膜内浮腫や出血、病型などが線維化と関連することが明らかとなりました。また、日本人に比較的多い病型であるポリープ状脈絡膜血管症 (PCV) でも約2割に線維化が認められ、長期的な経過観察の重要性が示されました。

 本研究は、日本人患者を対象とした7年間の長期リアルワールドデータとしては世界的にも貴重な報告であり、線維化のリスクが高い患者さんを早期に見極めることで、将来的な視力低下を防ぐための診療戦略の確立に役立つことが期待されます。また、本研究成果は、福島県立医科大学附属病院で長年にわたり診療を継続し、患者さんとともに積み重ねてきた貴重な臨床データから得られたものであり、今後の加齢黄斑変性診療の発展に寄与することが期待されます。

連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部 眼科学講座
電話:大学代表024-547-1111、 眼科学講座 024-547-1303
FAX:024-548-2640
HP:https://www.fmu.ac.jp/education/medicine/department/opt/
メールアドレス:ganka@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため一部全角表記しています)

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