カナダ雑誌「JMIR Aging」掲載(2026年3月)

Locomotive Syndrome Digital Therapeutics Provided via a Smartphone App: Proof-of-Concept Single-Group Trial Study

スマートフォンアプリを用いたロコモティブシンドロームのデジタル医療: 単群による実証研究

園部樹助教がネームプレートを首から下げてまじめな表情をしているポートレート。

園部 樹(そのべ・たつる)

整形外科学講座 助教

松本嘉寛教授が白衣を着て微笑んでいるポートレート。

松本 嘉寛(まつもと・よしひろ)

整形外科学講座 教授

研究グループ

園部 樹¹、小川 到¹、関 敬大¹、渡邉 孝祐¹、兼子 陽太¹、横田 武尊¹、馬渡 太郎²、原田 知²、門脇 康通³、
竹中 陽平³、松本 嘉寛¹
¹福島県立医科大学整形外科, ²浜の町病院整形外科, ³フューチャー株式会社

概要

論文掲載雑誌:「JMIR Aging」 (2026年3月)


福島県の健康寿命を延ばすために
日本において要介護が必要となる原因の第1位は、骨や筋肉などの衰えによって歩行能力などが低下する「運動器疾患」であり、全体の26.3%を占めています 。特に福島県では、いつまでも元気に自立した生活を送るための「健康寿命の延伸」が大きな課題です。ロコモティブシンドローム(ロコモ)の予防には日々の運動が不可欠ですが、中高年の方にとって「自宅での運動を習慣にする」ことは非常に難しく、これまでの研究では継続率が約65%に留まるという課題がありました 。

医師とつながるアプリで「運動を習慣に」
本研究では、47名の方を対象に、スマートフォンアプリを用いた8週間の運動プログラム(片脚立ち・スクワット)を実施しました 。このアプリは正しい運動方法を動画と音声でガイドするだけでなく、実施した記録を医師とリアルタイムで共有できる機能を備えています 。

主な研究成果
・驚異的な継続率: 8週間の平均運動実施率は93%、継続率は97%に達しました 。これは、「医師が自分の頑張りを見守っている」という安心感や動機付けが、これまでにない高い継続率につながったと考えられます 。

・身体機能の確かな向上: 8週間の使用により、歩行能力の指標(TUGテスト)で平均1.5秒の有意な改善が認められました 。

・3割以上の方が「ロコモ」を脱却: プログラム終了時、参加者の34%(16名)がロコモの診断基準を脱するまで回復しました 。

・高リスク群への高い効果: 要介護リスクが非常に高い「移動機能低下」の状態にあった方も、全員が基準値以下まで改善しました 。

介護予防の新しい選択肢へ
今回の研究により、デジタル技術を活用することで、これまで困難だった「運動の習慣化」と「身体機能の改善」を両立できることが証明されました。掲載された『JMIR Aging』誌は、老年医学とITの融合分野で世界的に高い評価を受ける国際誌であり 、この「福島発」の成果が次世代の標準的な治療(デジタル治療)になり得ることを示しています。
当科では今後も、最新のテクノロジーを活用して、皆様の健康と自立した生活を支えるための活動を推進してまいります。

連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部 整形外科学講座
電話:024-547-1276
FAX:024-648-5505
メールアドレス:sfortho@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため一部全角表記しています)

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