英国雑誌「Arthritis Research & Therapy」掲載(2026年1月)

Gender differences in the clinical features and quality of life of Japanese patients with systemic lupus erythematosus: a cross-sectional study based on the LUNA registry

全身性エリテマトーデス(SLE)患者における臨床的特徴とQOL(生活の質)の男女差について:LUNAレジストリを基にした横断研究

医療白衣を着た男性のポートレート、青い背景の前で真剣な表情をしている。

住近 祐哉(すみちか・ゆうや)

リウマチ膠原病内科学講座 博士研究員

大腸癌に関する研究を行う中嶋正太郎准教授のポートレート。

佐藤 秀三(さとう・しゅうぞう)

リウマチ膠原病内科学講座 准教授

○福島県立医科大学医学部リウマチ膠原病内科学講座       
 住近 祐哉, 海老名 帆夏, 佐藤 秀三, 齋藤 賢司, 吉田 周平, 松本 聖生, 藤田 雄也, 天目 純平, 松岡 直紀, 浅野 智之,右田 清志

○LUNA共同研究施設
 西村 啓佑, 大西 明, 佐田 憲映, 宮脇 義亜, 清水 俊匡, 一瀬 邦弘, 國下 洋輔, 吉見 竜介, 大野 滋, 梶山 浩, 藤原 道雄, 木田 節,  下島 恭弘, 松尾 祐介, 髙谷 亜由子, 大西 貴久, 井田 友明, 矢嶋 宣幸

 

概要

論文掲載雑誌:「Arthritis Research & Therapy」(2026年1月7日)


•多施設SLE疾患レジストリー(LUNA :LUpus registry of NAtion wide institutions)を用いた大規模調査により、日本人SLE患者の臨床的特徴とQOL(生活の質)の男女差を明らかにしました。

・臨床的特徴を比較した結果、男性患者は発症年齢が高く、喫煙や飲酒の習慣を持つ割合が高いことが確認されました。臓器障害(SDIスコア:SLE臓器障害の指標)を詳細に見ると、女性は関節障害(特に関節炎やジャクー様関節症)の頻度が高い(4.66% vs 1.26%)のに対し、男性は心血管系の障害の頻度が有意に高い(11.3% vs 2.72%)ことが判明しました。これらは以前の臨床研究とも合致しています。

・SLEの特異的QOL評価尺度(LupusPRO)を用いた評価では、医学的な重症度リスクが高いにもかかわらず、全体としては男性患者の方が女性患者よりも有意に高い健康関連QOL(HRQOL)スコアを示しました。本研究の最も重要な発見は、この「男性のQOLの高さ」が決して固定的なものではないという点です。データ解析の結果、関節障害や心臓障害を合併している患者群に絞ると、男女間のQOLの差は不明瞭になる(有意差がなくなる)ことが明らかになりました。特定の臓器障害によるダメージが、男性のQOLに対してより大きな影響を与えている可能性が示唆されます。

・SLE治療目標のひとつである、ループス低疾患活動性状態(LLDAS)を達成している患者群においても、男女間のQOLの格差は残存していました。この事実は、「医師が評価する疾患活動性がコントロールされていても、患者の主観的な生活の質が改善しているとは限らない」という、臨床における重要な教訓を示しています。このように、日本人SLE患者における臨床的特徴およびQOLの男女差について初めて明らかにしました。

備考:本研究は、医学部生(基礎上級)の海老名帆夏さんにデータ解析などで協力いただきました。ここに深謝致します(佐藤秀三)。

 

連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部/リウマチ膠原病内科学講座
電話:大学代表024-547-1111(代) 医局024-547-1171

FAX:024-547-1172
講座ホームページ:https://www.intmed2.fmu.ac.jp/rheumatology/index.html

メールアドレス:rheum@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため一部全角表記しています)

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