英国雑誌「Immunological Medicine」掲載(2025年12月)

Organ damage accrual in patients with newly onset systemic lupus erythematosus with neuropsychiatric symptoms and its clinical features in daily clinical practice: a single-center study.

精神神経症状を合併した新規発症全身性エリテマトーデス(SLE)患者の日常診療における臨床的特徴と臓器障害の蓄積について:単施設研究

医療白衣を着た男性のポートレート、青い背景の前で真剣な表情をしている。

齋藤 賢司(さいとう・けんじ)

リウマチ膠原病内科学講座 助手

大腸癌に関する研究を行う中嶋正太郎准教授のポートレート。

佐藤 秀三(さとう・しゅうぞう)

リウマチ膠原病内科学講座 准教授

〇福島県立医科大学医学部リウマチ膠原病内科学講座       

齋藤 賢司、清家 郁貴、佐藤 秀三、小川 政太朗、住近 祐哉、吉田 周平、松本 聖生、天目 純平、藤田 雄也、浅野 智之

 

概要

論文掲載雑誌:「Immunological Medicine」(2025年12月9日)


精神神経(NP)症状を合併した全身性エリテマトーデス(SLE)は重症度が高く、NP症状を伴わないSLE患者より臓器障害が進行しやすいとされています。新規発症SLEでNP症状を伴う患者は約20%に認められますが、その臨床的特徴についての研究は少なく、特に日本人SLE患者に関してこれまで検討されていませんでした。本研究では、2010年から2022年の期間で新規発症し、当科で治療導入したSLE患者90名を対象に、初発時にNP症状を伴うSLE患者群(Ini-NPSLE)と伴わない患者群(SLE NP-)に分け、臨床的特徴について解析しました。その結果、Ini-NPSLE群で疾患活動性、観察終了時の臓器障害の程度(SDI値)が有意にSLE NP-群より高いことがわかりました(1.55 vs. 0.53, p = 0.034)。また、Ini-NPSLE群ではより強力な免疫抑制療法(ステロイドパルス療法、シクロフォスファミドなど)を受けていました。累積生存率については両群に差はありませんでした。臓器障害に関連するリスク因子を検索するため多変量解析を行ったところ、年齢とNPSLEがリスク因子として抽出されました。これらの結果から、初発時にNP症状を伴う日本人SLE(Ini-NPSLE)患者において、経過とともに臓器障害がより進行してしまう可能性があるため、早期から積極的な免疫抑制療法を行いつつ注意深く経過観察していくことが必要と考えられます。

備考:本研究は、医学部生(基礎上級)の清家郁貴さんにデータ解析などで貢献頂きました。ここに深謝いたします。 (佐藤秀三)

 

連絡先

公立大学法人福島県立医科大学 医学部/リウマチ膠原病内科学講座
電話:大学代表024-547-1111(代) 医局024-547-1171

FAX:024-547-1172
講座ホームページ:https://www.intmed2.fmu.ac.jp/rheumatology/index.html

メールアドレス:rheum@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため一部全角表記しています)

ページの先頭へ戻る