米国雑誌「Skeletal Radiology (Online first) 」掲載(2025年8月)
Dynamic analysis of lumbar spine cerebrospinal fluid flow during deep respiration using a modified time-spatial labeling inversion pulse: technical feasibility in a healthy volunteer
腰椎レベルで見られる深呼吸中の脳脊髄液流をTime-SLIP法を用いた簡便な手法で計測する:健常ボランティア1例による技術的実現可能性の検討
山國 遼(やまくに・りょう)
放射線医学講座 病院助手
伊藤 浩(いとう・ひろし)
放射線医学講座 教授
研究グループ
山國 遼(放射線医学講座)、清野 真也(放射線部)、石井 士朗(放射線医学講座)、近藤 大皓(放射線医学講座)、髙橋 悠馬(放射線部)、佐川 友哉(放射線部)、石川 寛延(放射線部)、各務 竹康(衛生学・予防医学講座)、福島 賢慈(放射線医学講座)、大谷 晃司(整形外科学講座)、伊藤 浩(放射線医学講座)
概要
論文掲載雑誌:「Skeletal Radiology 」 (2025年8月9日)
脊柱管内の脳脊髄液(CSF)の流れは頚椎レベルでは心拍動に、腰椎レベルでは呼吸と強い関連が示されている。腰椎レベルのCSFと呼吸の関連についてはPhase contrast (PC)法で既に示されているが、画像解析が煩雑であり視覚的にもわかりにくい。一方Time-SLIPと呼ばれる方法は水の動きを視覚的にわかりやすく映し出すことができるが、撮像手法の問題で短時間のみの画像化にとどまっており、長周期である深呼吸に関連したCSFの動きは描出が出来ていなかった。我々はTime-SLIPの撮像方法を工夫することで、(具体的には、深呼吸を8秒周期、Time-SLIPを9秒周期に固定で撮像することで)、72秒(8と9の最小公倍数)で8秒の深呼吸の全周期を描出する方法を考案し、これを初めて健常正常人ボランティアで撮像し技術的検証を行った。想定通り、深呼吸に伴い大きく動くCSFの動きを画像化することが出来た(https://link.springer.com/article/10.1007/s00256-025-05008-y#:~:text=and%20institutional%20affiliations.-,Supplementary%20Information,-Below%20is%20the)。過去のPC法での研究と同様に、吸気時に頭側の呼気時に尾側へのCSFの動きが確認できた。また、椎体レベルで水の動きの大きさに差があることも明らかになった。具体的には頭側でより速い水の動きが、尾側でより遅い水の動きが確認された。同一の実験で収集されたcine MRI(動画のようなMRI)では吸気時に硬膜下腔の縮小が見られ、硬膜周囲の静脈叢の拡張により硬膜下腔が縮小し頭側への水の動きが生じている可能性が高いことが示された。本手法は腰部脊柱間狭窄症患者さんの狭窄の重症度を判断するために有用である可能性があり、今後の臨床応用に向けて研究を続けていく方針である。(山國 遼)
連絡先
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