米国雑誌「Clinica Chimica Acta」(2018年9月号)

Urinary N-terminal fragment of titin is a marker to diagnose muscular dystrophy in patients with cardiomyopathy

心筋症患者における筋ジストロフィー鑑別における尿中titinの有用性に関する検討

医療白衣を着た男性の医師が微笑んでいるポートレート。背景は淡い青色。

義久 精臣(よしひさ・あきおみ)

医学部 循環器内科学講座、心臓病先進治療学講座 教授

研究グループ

義久 精臣、喜古 崇豊、佐藤 崇匡、及川 雅啓、小林 淳、竹石 恭知

概要

論文掲載雑誌:「Clinica Chimica Acta」 (2018年9月号)

筋ジストロフィー(muscular dystrophy; MD)は、筋肉の萎縮に加え、不整脈・心不全・突然死などを生じることがあり、心筋症患者における筋ジストロフィーの鑑別は重要である。近年、尿中におけるtitinの代謝産物(urinary N-terminal fragment of titin; U-TN)が測定可能となり、若年者における筋ジストロフィー患者の診断に有用であることが報告された。我々は、種々の心筋症およびMD患者におけるU-TN値およびU-TNのMD診断能について検討した。拡張型心筋症 199例、肥大型心筋症 86例、サルコイドーシス 18例、アミロイドーシス 15例、Fabry病 6例、MD 7例において、U-TN濃度を測定した。U-TNはMDにて、他の心筋症と比して有意に高値であり、ROC解析ではU-TNは、MDを他の心筋症と鑑別可能(area under the curve 0.92, P<0.01)であった。尿中titinはMDを非侵襲的に鑑別できる可能性がある。

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