第35回日本小児泌尿器科学会総会・学術集会 学会賞(臨床部門)(令和8年7月受賞)
福島県における移動精巣に対する精巣固定術の全県実態調査:小児泌尿器科専門医育成による診療均質化の重要性
桐花 悠介(きりはな・ゆうすけ)
泌尿器科学講座 病院助手
研究グループ
桐花悠介、佐藤雄一、平栗あかり、迫慶一、長谷川暁久、松岡香菜子、星誠二、秦淳也、小川総一郎、小島祥敬
今回の受賞について
日本小児泌尿器科学会
日本小児泌尿器科学会は、子どもの腎尿路・生殖器疾患の診療と研究に携わる泌尿器科医、小児外科医、小児科医、コメディカルが協力し、この分野の学術発展と社会貢献に寄与することを目的として、1992年(平成4年)に設立された学術団体です。
賞について
日本小児泌尿器科学会総会・学術集会の学会賞は、学会賞候補演題の中から、基礎、臨床、症例報告の各部門における優れた研究発表を顕彰する賞です。本研究は、第35回総会・学術集会の学会賞候補演題として発表され、臨床部門の学会賞に選出されました。
概要
移動精巣は、精巣が陰嚢と鼠径部の間を移動する状態で、すべてが手術の対象となるわけではなく、病態に応じた判断が必要です。本研究では、福島県内で入院機能を有する全88病院を対象に、2008年4月から2017年3月までのレセプト情報から精巣固定術を実施した施設を抽出し、16施設852例の診療録と手術記録を確認しました。統一基準で移動精巣409例と停留精巣443例に分類し、全精巣固定術に占める移動精巣手術の割合を5地域で比較したところ明らかな地域差を認めました。また、日本小児泌尿器科学会会員数を小児泌尿器診療に関わる人的資源の指標として検討したところ、会員が少ない地域では移動精巣手術の割合が高い結果でした。ただし、この結果は会員数と手術適応の因果関係を直接示すものではありません。これらの結果から、移動精巣に対する手術適応判断には地域差がある可能性が示され、診療の均質化には、ガイドラインに基づく判断の共有と、専門的診療を担う人材の育成・地域偏在の是正が重要と考えられました。(桐花悠介)
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 泌尿器科学講座
電話:024-547-1316
電話:024-548-3262
メールアドレス:urol@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため一部全角表記しています)