第8回放射性薬品科学研究会 優秀発表賞(令和7年9月受賞)
次世代型自動合成システムを基盤とした [²¹¹At]MABG 製造プロセスの高度化

近藤 悠斗(こんどう・ゆうと)
先端臨床研究センター 助教
研究グループ
近藤悠斗,城寶大輝,佐々木茂範,望月一優,右近直之,西嶋剣一,鷲山幸信,田中浩士,東達也,石岡典子,高橋和弘
今回の受賞について
【日本核医学会分科会 放射性薬品科学研究会/放射性医薬品・画像診断薬研究会】
「日本核医学会分科会 放射性薬品科学研究会/放射性医薬品・画像診断薬研究会」は、放射性医薬品および画像診断薬に関する基礎研究から臨床応用に至るまでの幅広い分野を対象とする学術集会です。
【賞について】
優れた研究発表を行った若手研究者を表彰するものです。
受賞者には、2026年に中国で開催予定のThe 13th China-Japan-Korea Symposium on Radiopharmaceuticals(CJKSRS 2026)への渡航費の一部を助成するトラベルアワードも併せて授与されます。
概要
褐色細胞腫・パラガングリオーマや神経芽腫に対して強い抗腫瘍効果が動物モデルで証明されている注目の放射性薬剤 [²¹¹At]m-Astatobenzylguanidine ([²¹¹At]MABG) を、高純度かつ高収率で安定的に製造できる新しい手法を開発しました。
本製造法により、従来法では困難であった高放射能条件においても、安定的な [²¹¹At]MABG 製造が可能となりました。さらに、汎用型自動合成装置を利用しているため、他の ²¹¹At 標識薬剤の製造にも応用でき、[²¹¹At]MABG をはじめとする標的アルファ線治療薬の実用化に向けた重要な技術的基盤となることが期待されます。
*研究内容の詳細は、以下の論文にて報告しています。
Kondo, Y., Joho, T., Sasaki, S. et al. Production of ²¹¹At and automated radiosynthesis of [²¹¹At]MABG via electrophilic astatodesilylation. EJNMMI radiopharm. chem. 10, 52 (2025). https://doi.org/10.1186/s41181-025-00376-1
連絡先
公立大学法人福島県立医科大学 ふくしま国際医療科学センター 先端臨床研究センター
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講座ホームページ:https://www.fmu.ac.jp/fgmsc/acrc/