日本消化器外科学会雑誌 優秀論文賞2025(2025年7月受賞)

症例報告「小児Ⅲb型外傷性膵単独損傷に対する非手術療法の3例」

菅原 良太(すがわら・りょうた)

肝胆膵・移植外科学講座 大学院生

研究グループ 

菅原良太、佐藤直哉、月田茂之、武藤亮、芳賀淳一郎、小船戸康英、石亀輝英、木村隆、見城明、丸橋繁 

今回の受賞について

【第80回日本消化器外科学会総会】

日本消化器外科学会は、食道・胃・腸・肝臓・膵臓・胆道などに関する消化器外科診療と研究を専門とする学会です。消化器外科学の進歩と普及に貢献し、学術文化の発展や国民の健康・福祉の向上に寄与することを目的としています。毎年7月に学会総会が開催されており、第80回は2025年7月に神戸で開催されました。

【賞について】

日本消化器外科学会が発行する学会誌に掲載された論文の中から、毎年数編が優秀論文賞として表彰されます。論文の新規性や臨床的意義などを基準として選出されます。

 

概要

膵損傷は小児腹部外傷の中でもまれですが、特にⅢb型のように主膵管が断裂した重度例では、従来は膵切除などの侵襲的手術が多く選択され、術後合併症が課題とされてきました。

本研究では、受傷早期に緊急内視鏡的膵管造影(ERP)と膵管ステント留置を施行できた症例において、NOM(non-operative management)で治癒が得られたことを報告しました。小児膵外傷におけるNOM成功の要因は受傷早期のERPによる診断とステント留置にあることが示唆されました。本報告は小児腹部外傷における治療戦略の決定に寄与するものと考えています。(菅原 良太)

 

連絡先

 

公立大学法人福島県立医科大学 医学部/肝胆膵・移植外科学講座
電話:024-547-1111(代)

FAX:024-547-1981
講座ホームページ:https://fmu-hbpts.jp/

メールアドレス:hbpts@fmu.ac.jp(スパムメール防止のため一部全角表記しています)

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