保健医療交流事業 (講演会) レポート

プレ更年期・更年期の女性の健康について

 講演会は令和8年1月17日(土)13時30分より西郷村文化センターを会場に開催された。講師は性差医療センター・産科婦人科学講座 山口明子准教授が務められた。講演は「プレ更年期・更年期の女性の健康について」をテーマに行われた。

講演内容

  1. 1.更年期の位置づけと女性のライフステージ

    女性の一生は、思春期・性成熟期・更年期・老年期の大きく4段階に分けられる。
    更年期は概ね40代後半~50代半ばにあたり、卵巣ホルモン(エストロゲン)が大きく減少する時期。
    エストロゲンの急激な変動が、心身の不調を引き起こしやすい。

  2. 2.働く女性と更年期

    現代では更年期世代の約8割が就労している。
    調査では、40~50代女性の約3~4割が更年期症状を経験。約15~20%が更年期の症状により休職・退職・配置転換を経験。
    更年期による経済的損失は社会全体でも大きく、近年注目されている。

  3. 3.相談できない現状と職場の課題

    症状があっても約6割が誰にも相談できていない。理由として、偏見・からかい・理解不足への不安が挙げられる。上司側の理解度は約3割にとどまり、認識のギャップが存在。職場での業務分担や話し合い、専門家への相談体制が求められている。

  4. 4.更年期の心理・社会的背景

    閉経に伴い「女性らしさの喪失」や体力低下への不安を感じやすい。
    家庭環境の変化(子の自立、親の介護・死別など)が重なることも多い。ただし、近年は価値観の変化により必ずしも「空の巣症候群」に限定されない。

  5. 5.エストロゲンの役割と更年期症状

    エストロゲンは生殖機能だけでなく、骨・血管・皮膚・脳など全身に作用。
    閉経前後にホルモンバランスが乱れ、自律神経中枢(視床下部)にも影響。
    更年期症状とは、45~55歳頃に現れる原因疾患のない多様な不調。症状が強く、生活に支障を来す場合を「更年期障害」と呼ぶ。

  6. 6.注意すべき疾患

    脂質異常症:50代以降、女性も男性並みに増加。
    動脈硬化:脳卒中・心筋梗塞のリスク増大。
    骨粗鬆症:腰椎・大腿骨骨折が増え、健康寿命に影響。

  7. 7.セルフケアの重要性

    食事 主食・主菜・副菜を基本としたバランスの良い食事、野菜摂取不足、脂質過多に注意。
    運動 運動習慣のある女性は更年期症状が軽い傾向、骨・心血管・認知機能の維持に有効。
    生活・心のケア 自分のための時間を意識的に確保。趣味や推し活など、心が満たされる時間を持つ。

  8. 8.医療機関受診と治療

    更年期症状で産婦人科を受診した経験は約3割、症状の背後に病気が隠れていることもあり、受診は重要。
    治療にはホルモン補充療法、漢方薬、必要に応じ向精神薬を使用。ホルモン療法のリスクは適切な管理で低減可能。漢方薬は体質に合わせた選択が重要。

  9. 9.まとめ

    更年期は女性誰にでも訪れる「体のリニューアル期」我慢の時代ではなく、心身を見直す重要な時期。
    セルフケアと医療を上手に活用し、1人で抱え込まない。女性だけでなく、男性・職場・社会全体で理解し支え合うことが大切。

お問い合わせ: 医療研究推進課 研究推進係

電話 024-547-1794 / FAX 024-581-5163
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