保健医療交流事業 (講演会) レポート
腎臓から考える高血圧予防~沈黙の臓器が発するサイン~
講演会は令和7年11月29日13時30分より会津美里町じげんホールを会場に開催された。講師はじ腎臓高血圧内科学講座 風間順一郎教授が務められた。講演は「腎臓から考える高血圧予防~沈黙の臓器が発するサイン~」をテーマに行われた。
講演内容
◯CKD(慢性腎臓病)について
- CKDは認知度が低い現状がある。
- CKDは腎臓の慢性的な障害を指し、放置すると最終的には透析が必要となる。
- 腎臓は体液を一定に保つ重要な臓器であり、CKDは早期発見が極めて重要である。
◯CKDの概念と進行
- CKD は原因疾患を問わず、腎機能(ろ過能力)と蛋白尿の程度で分類される。
- 腎臓は 1つ1つ独立して働く「ネフロン」で構成され、加齢とともにその数は減少する。
- ネフロンは再生しないため、腎機能は基本的に回復しない。
- 残ったネフロンが過剰に働くことで一時的に機能を補うが、過労によりさらに壊れる「悪循環」に陥る。
- 40歳以降は腎機能が加速度的に低下し、長寿になるほど透析のリスクは上がる。
◯日本のCKDの現状
- 日本の透析患者数は約35万人と多いが、ここ数年は微減傾向にある。
- 高齢化とともにCKD有病率は上昇し、「成人の8人に1人」から「5人に1人」とされるほど増加している。
- 高血圧・フレイル・生活習慣病・睡眠時無呼吸症候群・ストレスなど、多様な要因がCKDの発症に関わっている。
- 地域別の高齢化率に触れ、会津地域は県平均よりやや高く、CKD有病率も高い可能性がある。
◯高血圧と腎臓病の関係
- 血圧は「心臓からの血液量」と「血管の硬さ(動脈硬化)」で決まる。
- ナトリウム(塩分)の排泄能力は腎臓が担っており、腎機能が低下すると血圧が上がりやすくなる。
- 一方で、高血圧は腎臓に負担をかけ、腎機能低下を加速させる。
- このため 高血圧と腎臓病は互いを悪化させる「悪循環」を形成する。
◯血圧管理の重要性
- 高血圧はもちろん問題だが、低血圧にも基準がなく、治療過剰による不調(ふらつき、やる気低下等)にも注意が必要。
- 臓器障害のリスクが高まる下限は「収縮期血圧80mmHg未満」とされる。
- 塩分管理も大切だが、より大切なのは、身体的にも精神的にも社会的にも全てが満たされた状態での「健康」が大切。
◯まとめ
- CKDは高齢化とともに増加しており、初期症状が乏しいため認知度向上と早期発見が重要である。
- 高血圧との密接な関係から、生活習慣改善や継続的な血圧管理が腎機能維持の鍵である。
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