保健医療交流事業 (講演会) レポート
知っておきたい認知症のこと ー認知症の正しい知識と予防についてー
講演会は令和7年10月29日9時30分より大玉村保健センターを会場に開催された。講師は保健科学部作業療法学科講師 木村夏実助教が務められた。講演は「知っておきたい認知症のこと ー認知症の正しい知識と予防についてー」をテーマに行われた。
講演内容
◯認知症とは
認知症とは、脳の病気や障害などが原因で認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態が6か月以上続くことを指す。
認知機能とは、外からの刺激を理解・判断・行動に移す一連の働きを指す。例えば「トイレのマークを見て、男性用か女性用かを判断し、行動する」といった流れが認知機能。
◯物忘れと認知症の違い
加齢による物忘れ:体験の一部(例:朝食のメニュー)を忘れる。
認知症による物忘れ:体験そのもの(例:朝食を食べたこと自体)を忘れる。
体験をまるごと忘れてしまう点が、認知症特有の特徴。
◯認知症の現状
2022年時点で、高齢者の約27%が認知症または軽度認知障害(MCI)とされている。特に90代女性では約84%に認知機能低下が見られるといわれている。女性の割合が高いのは、平均寿命が長いため。
◯軽度認知障害(MCI)とは
MCIは、物忘れなどの症状はあるが、日常生活に大きな支障はない。ただし、10~30%の方が認知症に進行しますが、多くは生活習慣の改善で回復も可能。ストレスや疲労、睡眠不足などの見直しが重要。
◯主な認知症の種類
- アルツハイマー型認知症(全体の約60〜70%)
アミロイドβやタウたんぱく質が脳に蓄積し、神経細胞が破壊される。記憶障害から始まり、時間や場所の見当識障害、実行機能障害(料理や家事などの計画力低下)が進行。進行は緩やかで、最終的には寝たきりになることもあるが、多くはそこまで至らない。 - 血管性認知症(約20%)
脳梗塞や脳出血など血管障害が原因。麻痺や感覚障害を伴うことが多い。生活習慣病(高血圧・糖尿病など)の管理が予防の鍵。
そのほか、レビー小体型認知症や前頭側頭型認知症、若年性認知症などがある。
◯認知症と間違えやすい疾患
- うつ病:脳の機能障害ではなく、セロトニン分泌低下による気分の落ち込みが中心。
アルツハイマーは「隠す」傾向があるが、うつ病は「自分を責める」傾向が強い。 - せん妄(専門):入院や環境の変化で一時的に混乱する状態。
数日~数週間で回復する点が認知症と異なる。
◯まとめと予防
認知症の進行はゆっくりであり、早期発見と生活習慣の見直しが重要。
食生活・運動・睡眠の改善が脳の健康を保つ。
気になる症状があれば、かかりつけ医への相談が推奨される。
認知症は種類によって症状や原因が異なりますが、いずれも早期発見と日常生活の工夫が予防・改善の鍵。
お問い合わせ: 医療研究推進課 研究推進係
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