保健医療交流事業 (講演会) レポート
健康づくりの基礎基本 ~健康づくりの取組み方~
講演会は令和7年10月4日10時00分より三春交流館まほら(田村郡三春町字大町191)を会場に開催された。講師はリハビリテーション医学講座 佐藤助手が務められた。講演は「健康づくりの基礎基本 ~健康づくりの取組み方~」をテーマに行われた。
講演内容
〇健康寿命と平均寿命の差
令和4年度の調査によると、平均寿命は男性80.06歳、女性87.09歳だが、健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳であり、その差は男性で約8年、女性で約12年もある。
この差を縮めることが、健康寿命延伸の大きな課題。
〇要介護・要支援の主な原因
要介護・要支援の原因としては、
1位:認知症 2位:脳血管疾患 3位:転倒・骨折 4位:加齢による衰弱 5位:関節疾患
が挙げられる。特に運動器の障害が、介護状態への移行に大きく関係している。
〇運動不足と健康リスク
日本人の死亡に影響する危険因子の第3位が「運動不足」。
運動不足により循環器疾患、糖尿病、肥満、がんなどのリスクが増加し、年間約5万人が関連疾患で死亡。
一方、身体活動量が多い人は、心疾患・脳卒中・うつ病・認知症の発症リスクが低いことが報告。
〇加齢による身体機能の変化
筋肉量や心肺機能は20代をピークに徐々に低下。
特に下肢の筋肉は20代から減少し始め、40代以降は全身の筋肉が年1%ずつ減少。
70代では20代に比べ約20%の筋肉量が失われるとされている。
〇フレイルの悪循環
筋力の低下により活動量が減り、食欲低下や栄養不足を招くことで、さらに筋力が低下するという悪循環。
また、退職や家族の死など社会的・心理的要因もフレイルの誘因になる。そのため、身体的・精神的・社会的な側面からの支援が必要。
〇身体機能の評価法
代表的な評価には以下のものがある。
- 立ち上がりテスト:40cm、30cmの椅子から両脚または片脚で立ち上がれるかを確認。
- ツーステップテスト:2歩の歩幅を身長比で評価。
- 25項目質問票:日常生活動作・社会参加・不安感などを自己評価。
いずれかに該当する場合は、ロコモティブシンドロームの可能性があり、医療機関の受診が推奨される。
〇運動の必要性と実践
「運動は面倒」「忙しい」という理由で運動不足の人が多いが、厚労省は以下の身体活動を推奨。
- 成人:1日60分以上(約8,000歩)
- 高齢者:1日40分以上(約6,000歩)
運動だけでなく、通勤・家事・掃除などの「生活活動」も身体活動に含まれる。日常生活の中で体を動かす意識を持つことが大切。
〇長時間座位のリスク
日本人は1日平均7時間座っており、これは世界最長クラス。長時間の座位行動は、運動量に関わらず死亡リスクを上昇させることが示されている。「こまめに立つ」「短時間でも体を動かす」ことが重要。
〇まとめ
- 平均寿命よりも健康寿命を延ばすことが重要。
- 運動不足は生活習慣病・要介護の大きな要因。
- サルコペニア・フレイルを予防するためには、早期評価と継続的運動が不可欠。日常生活の中で体を動かす工夫を取り入れ、座りすぎを防ぐことが健康維持の鍵となる。
お問い合わせ: 医療研究推進課 研究推進係
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