保健医療交流事業 (講演会) レポート
人生の最後までよりよく生きるために、もしもに備えて話し合っておくこと ~人生会議って何?~
講演会は令和7年9月26日13時30分より塙農村勤労福祉会館を会場に開催された。講師は総合内科・総合診療学講座 菅家智史講師が務められた。講演は「人生の最後までよりよく生きるために、もしもに備えて話し合っておくこと ~人生会議って何?~」をテーマに行われた。
講演内容
〇『人生会議』とは
- 「人生会議」とは厚労省が提唱する用語であるが、単なる会議ではなく「死に方を決める場ではない」
- 真の目的は「その人がどう生きたいか」を本人と周囲が共有する会話である。
- かしこまった会議ではなく、日常の会話として捉えることが重要。
- 「人生会議」は生き方を考える会話であり、本人の希望や価値観を周囲が理解し、共有することが目的。
〇医療現場での具体的事例
- 肺がん患者(74歳男性)
在宅医療を受けながら「温泉旅行に行きたい」と希望。
・医師は痛み止めや紹介状を準備し支援。実際に温泉に行くことができ、本人と家族が満足できる体験となった。
- 高齢女性(92歳、一人暮らし)
・脳梗塞後に嚥下障害があり、誤嚥性肺炎のリスクが高まった。
・医療的には点滴や胃ろうなどの手段はあるが、生活の質とのバランスをどう考えるかが課題となった。
〇最期の時間のパターン
- 病気ごとに「最期の過ごし方」の経過パターンがある。
がん:比較的元気な状態から短期間で急激に悪化。
心臓・肺疾患:悪化と回復を繰り返しながら徐々に低下。
認知症・老衰:長期にわたり緩やかに低下。 - その人の病態によって「残された時間のあり方」が異なるため、価値観の共有が重要。
〇命の価値観の変化
- かつては「命を長く延ばすこと」が最優先だったが、近年は「本人にとって良い時間を過ごすこと」を重視する価値観が増えている。
- 医療の目的も「延命」から「本人の希望・価値観を尊重すること」へ変化してきている。
〇まとめ
- 人生会議とは「死に方を決めること」ではなく「どう生きるかを話し合うこと」。
- 大切なのは「本人が大事に思う価値観を周囲と共有すること」。
- 医療者や家族は、その価値観を尊重しながら最期まで支える役割を担う。
お問い合わせ: 医療研究推進課 研究推進係
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