国際原子力機関(IAEA)理事国大使が本学を視察
— 放射線医療と災害医療の知見を世界へ —
福島県立医科大学 は、2026年1月20日(火)、国際原子力機関(IAEA) 理事国大使招聘事業の一環として、同機関理事国を務める5カ国の大使を迎え、本学の視察を実施しました。本事業による本学への視察は、2024年から3年連続となります。
今回来学されたのは、海部篤大使(外務省在ウィーン国際機関日本政府代表部特命全権大使)をはじめ、フィリピン、チリ、ガーナ、タイの計5カ国の大使です。本視察は、外務省の招聘事業として実施されました。
本学とIAEAは、東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、2012年12月に覚書を締結し、「人の健康」分野における協力プロジェクトを開始しました。以来、放射線医学教育、放射線災害医療、研究活動など、多岐にわたる共同プロジェクトを通じて、協力関係を継続的に深化させています。
今回の視察は、震災後の本学における活動や日本における原子力の平和的利用、とりわけ医療分野における放射線利用の取り組みについて理解を深めていただくことを目的に行われました。
歓迎セレモニーには、本学から竹之下誠一理事長兼学長、山下俊一副学長、安村誠司放射線医学県民健康管理センター長、鈴木義行放射線腫瘍学講座主任教授らが出席しました。
竹之下理事長兼学長は、「本学とIAEAとの協力関係が今後さらに発展していくことを願っている」と挨拶しました。これに対し、海部大使からは、「福島医大は、原子力の医学・医療利用の促進において重要な役割を果たしている。今回の視察を通じて、われわれは福島への思いを一層強くすると確信している」との言葉が述べられました。
続くワークショップでは、放射線災害医療学講座の長谷川有史主任教授が、本学附属病院放射線災害医療センターを案内し、福島第一原発事故後における本学の被ばく医療対応について説明しました。
また、安村センター長からは、震災後の福島県民の健康を長期的に見守る県民健康調査事業について説明が行われました。さらに、先端臨床研究センターの志賀哲教授および高橋和弘教授からは、放射性核種アスタチンを用いたがん治療薬の開発に関する最新の研究成果などが紹介されました。
さらに鈴木教授よりIAEAが推進するがん治療支援イニシアティブである Rays of Hope において、日本国内16の医療機関からなる「日本アンカーセンター」の活動内容が紹介されました。本学は「日本アンカーセンター」の事務局を務めており、低中所得国におけるがん治療の質の向上と専門人材育成を牽引する、アジア太平洋地域の中核拠点として活動しています。
視察中は放射線医学、原子力災害医療、健康調査、核医学など、本学の多岐にわたる取り組みについて活発な意見交換が行われました。
本学は、原子力災害という未曾有の経験を乗り越えた知見を多く有し、国際社会の安全と持続的発展に寄与する不可欠な資産を有すると高く評価されています。
今回の視察受入れを通じ、IAEAとの連携強化と国際協力のさらなる発展が期待されます。
前列中央左から:海部大使、竹之下理事長兼学長
前列左から:Matilda Aku Alomatu OSEI-AGYEMAN大使(ガーナ代表部)
Evangelina Lourdes Arroyo BERNAS大使(フィリピン代表部)
Alex WETZIG大使(チリ代表部)
Pattarat HONGTONG大使(タイ代表部)
後列:本学関係者
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