F-PDXを利用した薬効評価等の受託試験に関する契約を日本チャールス・リバー株式会社と締結しました | 医療-産業トランスレーショナルリサーチセンター

F-PDXを利用した薬効評価等の受託試験に関する契約を
日本チャールス・リバー株式会社と締結しました

ライセンス契約締結のお知らせ

福島医大と日本チャールス・リバー株式会社
患者腫瘍移植マウスモデルに関するライセンス契約を締結

2020年2月25日
公立大学法人福島県立医科大学
日本チャールス・リバー株式会社

 公立大学法人福島県立医科大学(所在地:福島県福島市、理事長:竹之下誠一。以下「福島医大」といいます。)と日本チャールス・リバー株式会社(所在地:神奈川県横浜市、代表取締役社長:武本行弘)は、この度、福島医大 医療‐産業トランスレーショナルリサーチセンター(センター長:渡辺慎哉)が実施している「福島医薬品関連産業支援拠点化事業」で樹立した患者腫瘍移植マウスモデル(F-PDX®)を利用した薬効評価等の受託試験に関する独占的ライセンス契約を締結しました。
 患者腫瘍移植マウスモデル(Patient-Derived Xenograft; PDX)は、がん基礎研究や治療法の開発において必須のツールであり、近年、PDXモデルが、抗がん剤等の抗腫瘍効果の評価に広く使用されてきています。PDXモデルは、患者のがんの特徴を維持しており、様々ながん基礎研究や薬効評価試験において有用性の高いモデルです。欧米では活用しやすい環境構築をめざして、PDXモデルのライブラリー化が進められております。日本国内においても同様のPDXライブラリーやデータベースの構築が期待されています。このような状況においても、抗がん剤開発のニーズを満たす豊富な解析データや臨床データをもつPDXライブラリーは限られているため、さらなる解析・臨床データの拡大とライブラリーの充実が望まれております。
 福島医大 医療‐産業トランスレーショナルリサーチセンターは、経済産業省の支援を受け、2012年からPDXモデルの樹立を開始しました。これまでに、様々な固形がんや白血病等の造血器腫瘍から 150 種類以上のPDXモデルを樹立し、F-PDXモデルと名付け、国内外の製薬企業等に提供してきています。F-PDXモデルの特長は、F-PDX由来がん組織に加え、樹立に使用したがん組織のゲノム解析、遺伝子発現解析、病理組織学的解析等の豊富なデータを取得して比較解析することで、ヒトの体内にあるがん組織の状態と類似性が高いことを確認していることです。また、がん組織をご提供頂いた患者さんの匿名化した詳細な臨床情報も、データベース化して活用することができます。従って、F-PDXモデルを用いて抗がん剤や診断薬を評価することで、より精度の高い評価が可能となります。
 本ライセンス契約を締結したことで、今後は、日本チャールス・リバー株式会社およびCharles River Laboratories において、F-PDXを用いて新しい抗がん剤等の薬効評価試験の受託解析を行うことができます。さらに、本契約によって、世界中の多くの研究者が容易にF-PDXモデルを利用でき、がん研究や抗がん剤開発の進展に貢献できることが期待されます。

以上

お問い合わせ先

公立大学法人福島県立医科大学 医療-産業トランスレーショナルリサーチセンター
・ 広報に関すること 電話番号: 024-581-5228
・ 契約に関すること Eメール : i-san-tr@fmu.ac.jp

日本チャールス・リバー株式会社 サービスオペレーションセンター
・ 受託試験に関すること 電話番号: 045-474-9340  /  Eメール: AskCRJ@crl.com