医局について|福島県立医科大学 放射線腫瘍学講座
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医局紹介

医局方針

放射線腫瘍学講座はNew Step Forwardを合い言葉に新しいがん治療を研究/臨床応用します。


主任教授挨拶

CEO

鈴木 義行 主任教授

 “がん治療”といえば、手術、化学療法(抗がん剤)、そして、放射線治療、が“がんの3大治療”と言われて久しいですが、これまで実際には手術がほとんどの場面で主役を務めてきました。しかし、この10~20年の間に、放射線腫瘍(治療)学は、機器やIT技術の進歩に伴い急速に発展を遂げております。前立腺癌などに対しては強度変調放射線治療(IMRT)が、骨軟部腫瘍には重粒子線治療までもが、今や“標準治療(第一選択)”と考えられるようになりつつあり、まさに日進月歩の様であります。放射線治療を受ける患者さんの数も10年で約2倍となる勢いで増加しており、現在では、日本におけるがん患者さんの“3人に1人”が放射線治療を受けていると推測されています(日本放射線腫瘍学会の全国調査より)。欧米では、すでに“3人に2人” が放射線治療を受けており、日本でも、放射線治療が、今後益々重要な治療法として用いられると考えております。しかしながら、放射線治療専門医は全国で約1000名と極端に不足している状況であり、放射線治療専門医の育成が喫緊の課題となっております。

 福島県立医科大学では、これまで、放射線医学講座(放射線科)が放射線診断・核医学・放射線治療の3部門を一手に担ってまいりましたが、上述の如く、急速に進歩する放射線治療に対応すべく、県民の皆様への最先端放射線治療の提供、良質な放射線治療専門医の育成、先端的がん治療法の開発、を目的に、平成26年8月1日付けで、放射線医学講座(放射線科)から放射線治療部門が独立し、放射線腫瘍学講座(放射線治療科)が新設されました。現在、放射線治療医6名に加え、医学物理士、放射線技師、看護師、等、総勢17名のスタッフで、年間600名程のがん患者さんの診療にあたっております。昨年5月に診察室をリフォームし(婦人腫瘍患者さん用の診察室、等を増設)、また、治療機器については、今春より治療機器2台を最先端の機種に入れ替えて高度な放射線治療を開始する予定となっております。また、現在建築中の“ふくしま国際医療科学センター”内に、日本最大のラジオアイソトープ(RI)治療病棟が平成28年度中には開設予定となっております。また、福島県内外の先端的拠点病院(群馬大学・重粒子線医学センター、南東北がん陽子線治療センター、等)とも連携しており、最先端の放射線治療の全てが受けられる体制作りが整備されています。

 全国を見渡しましても、放射線腫瘍(治療)学講座と放射線診断学講座が各々独立している大学は決して多くありません(全医学部の20~30%程)。放射線腫瘍学講座(放射線治療科)の新設を決断された福島県・福島県立医科大学、そしてもちろん、福島県民の皆様の御期待は大変大きいものと理解しております。皆様の御期待に応えられる様、スタッフ一同、精一杯努力して行く所存ですので、御支援の程、宜しくお願い申し上げます。

 最後に、“放射線治療医を目指す研修医・医学生”の皆さん、福島県立医科大学・放射線治療科では、近隣の関連病院と連携し、“放射線治療の全て”が経験可能な研修プログラムを用意しています。また、新たな治療機器・施設の整備も急速に進んでいます。更には、国内・外の有力拠点病院との共同研究も始まっており、海外留学も希望者全員が可能な状況です。

 今はまだ開講したばかりの小さな講座ですが、そう遠くない将来には、放射線治療における有力拠点施設になるべく頑張っています。大きな夢と高い志を持った皆さんの入局を心待ちにしております。是非、一緒に、福島から世界に向けて、放射線治療の情報を発信しましょう!


*ラジオアイソトープ治療:放射線物質(RI)を含む薬が内服・注射などにより体内に入ると、特定の組織(甲状腺・腫瘍・など)に集まることを利用した、放射線治療の一種です。


医局員紹介   氏名    資格     専門分野

准教授
田巻 倫明  専門医    子宮頸癌の放射線治療
助教
佐藤 久志  専門医    緊急被ばく医療 前立腺癌
助手
湯川 亜美  専門医    子宮頸癌に対する放射線治療
助手
海老 潤子  専門医    乳癌に対する放射線治療
助手
中島  大   専攻医   脳腫瘍に対する放射線治療
助手
岡  善隆   医学物理士  放射線治療におけるQA/QC