研究紹介・実績

業務内容

1. 診療・細胞採取業務

貯血式自己血輸血のための貯血

手術前に患者様自身から採血(貯血)を行い、それを手術の際に輸血します。自分の血液を用いるため、ウイルス感染などのリスクを回避できます。当院では、整形外科、産婦人科、泌尿器科、脳神経外科、血液内科と小児腫瘍内科(骨髄移植ドナー)、消化器内科、口腔外科などの診療科から依頼を受けています。

採血前に問診や検査、血圧の測定など、必要な診察を行い、適応と安全を輸血・移植免疫部の医師が確認した上で行われます。採血した血液は専用冷蔵庫にて手術日まで全血製剤として保管されます。必要に応じて白血球を除去して保管したり、自己フィブリン糊を作成したりします。貯血した血液の有効期間は採血日から35日間となります。

末梢血幹細胞採取

自己および同種末梢血幹細胞移植のための採取、細胞処理、保管・管理、出庫を当部で行っています。また、骨髄バンクの非血縁末梢血幹細胞採取施設として認定されています。小児に対しても積極的に細胞を採取しており、通算の採取数は本邦でも有数のレベルです。

現在、Spectra Optiaという成分採血装置を使用し、安全に配慮しながら採取しています。採取中に抗凝固剤に含まれるクエン酸により、低カルシウム血症に陥る可能性があるため、適宜血中イオン化カルシウム値測定を行い、必要があればグルコン酸カルシウム製剤の投与を行いながら採取します。採取時間はおおよそ3~4時間となります。採取した細胞は、臨床検査技師により、細胞数測定および凍結処理が行われ、液体窒素タンク内で保管されます。移植当日は輸血・移植免疫部(もしくは当該科)で、凍結製剤を急速解凍し患者様へ投与します。

自己フィブリン糊

自己フィブリン糊は、平成30年に保険収載された新しい方法で、患者様から採血した自己血を赤血球成分と血漿成分に分離し、血漿中の凝固因子を製剤として濃縮するものです。止血や組織修復を促進し、術後輸血や合併症を減らす方法として利用されています。市販の同種フィブリン糊に比べ、感染症や同種免疫反応のリスクが少ない製剤です。現在、当院を含む全国22施設(2021年4月末)で使用されています。

当院では整形外科、脳神経外科、内視鏡治療部、産科婦人科にて使用されています。患者様から貯血式自己血と同様の方法で採血を行い、採血した全血血液を赤血球成分と血漿成分に分離します。分離した血漿を使用し、専用機器にて自己フィブリン糊の作成を行います。作成した自己フィブリン糊は使用日まで専用冷凍庫で凍結保管されます。有効期間は自己フィブリン糊作成日から28日間、ただし、自己血の有効期間である35日以内となります。使用日当日、当部または手術部にて製剤の解凍を行い、投与されます。自己フィブリン糊作成時に分離した赤血球成分は、通常の貯血式自己血製剤と同様に使用することができます。

コンサルト

各診療科から、輸血、移植、細胞採取に関する相談を受け付けています。医師・検査技師・看護師が丁寧に応えます。必要時には多職種でのカンファランスを行います。

セカンドオピニオン

他院からも、患者さんやご家族、主治医の先生からの相談にのり、方針などについて意見をフィードバックすることができます(池田和彦教授)。内容は以下のとおりです。遺伝子検査やHLA検査、各種の抗体検査などについては、検体をお送りいただいて検査のみの受託を行うことも相談に応じますので、お気軽に御連絡下さい。治療については紹介元への逆紹介を含めた対応になります。

 

2. カンファランスなどの業務

3. 検査業務

4. 製剤(輸血用、移植用、細胞治療用)の調整・管理・保管・払い出し

フォトギャラリー

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