公立大学法人福島県立医科大学ガバナンス・コード

ガバナンス・コード(抜粋)

 公立大学法人福島県立医科大学(以下「本学」という。)は、福島県民(以下「県民」という。)の保健・医療・福祉に貢献する医療人の教育及び育成を目的として設立された大学である。同時に、研究機関として、不断の研究成果を広く世界に問いかけるという重要な使命を担っている。

 また、従前から担っている県民の命と安全を守るための高度な医療の提供や、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故という未曾有の災害(以下「東日本大震災及び原子力災害」という。)を受けて、県民の健康状態を長期にわたり見守るという使命・社会的責務も負っている趣旨を踏まえ、ステークホルダー(「利害関係者」をいう。以下同じ。)に対して運営状況や本学の使命及び社会的責務をどう果たすのかなど、ガバナンス・コードを策定することで、広く示す必要がある。

 このため、公立大学に共通するガバナンスの基本原則については、一般社団法人公立大学協会が策定した「公立大学ガバナンス・コード」に準拠し、これに医療系総合大学としての本学の独自性や、東日本大震災及び原子力災害からの復興を盛り込み、本学の理念に次ぐ高位規範として、以下のとおり「公立大学法人福島県立医科大学ガバナンス・コード」を定める。

福島県立医科大学ガバナンスコード

基本原則1 本学の自主性・自律性に基づいた計画策定と体制構築

 本学は、設立目的である「県民の保健・医療・福祉に貢献する倫理性豊かな医療人の教育・育成」、「最新かつ高度な医学、看護学及び保健科学の研究・創造」、「県民の生命と健康を守る基幹施設としての全人的・統合的な保健医療の提供」を使命とし、福島県(以下「県」という。)から措置される運営費交付金等を基盤的な財源として活用しながら、これら使命を果たし、地域社会に貢献していく責任を負っている。そのため、法定計画である中期計画や、本学の自主性・自律性に基づいた各種計画(以下「計画等」という。)を策定し、それを実現できる体制を構築する。

基本原則2 本学の適正な経営の展開

 本学は、自主的・自律的な運営に係る環境の下、基本原則1に掲げる使命を果たし、地域社会に貢献していくため、理事長兼学長(以下「理事長」という。)がそのリーダーシップを発揮し、迅速・的確な意思決定を可能とする経営体制を構築するよう努める。
 また、ガバナンスの基本要素の一つとして、トップへの牽制機能が求められることから、理事長が客観性を担保した大学運営を行えるよう、理事長に対する自律的な牽制機能について検討し、強化を図る。

基本原則3 教育・研究の発展

 本学は、県内における医療人を育成する高等教育機関の中核的存在として、高度な教育による社会の持続的発展を支える優秀な医療人材の輩出、社会にとって普遍的な価値をもたらす高度な学術研究の推進や大学の知的価値の提供などの機能について、高度化させていく責務を持つ。
 そのため、理事長は、上記責務を果たし、全体として調和のとれた大学運営を実現するために、全学的な視点で行われる教学マネジメントを確立し、教育研究等の質を高めるため不断の見直しに取り組む。

基本原則4 地域社会への貢献

 本学は、教育、研究及び医療に関する活動の展開により使命を果たし、地域社会へ貢献していくため、本学設立の経緯と建学の理念を踏まえ、本県の保健・医療の課題・問題点を把握しその分析を通して、解決や解消を図り、地域社会の保健医療水準の向上に努めながら、その社会的な役割を果たしていく。

基本原則5 持続可能性・多様性のある社会への対応

 大学には、世界に開かれ、世界的な普遍的価値を生み出し、あまねく提供する存在となることが求められる。本学は、社会の持続的発展のために貢献するとともに、多様性のある社会に対応し、進んで人権の尊重やハラスメントの防止に努める。

基本原則6 東日本大震災及び原子力災害からの復興

 本学は、優れた医療人の教育・育成、医学、看護学及び保健科学の研究推進、そして高度で先進的な医療の提供という本来の使命に加え、東日本大震災及び原子力災害によって課せられた「県民のこころと体の健康を長期に見守り、福島復興の中核となる」という歴史的使命を担っている。

 本学は、基本原則1から5に則り、震災を経験した医療系総合大学として、災害の記憶を風化させることなく、福島の復興に寄与するとともに、今後の社会の変化に対応していくため、その知見をいかしながら、教育、研究及び医療を推進する。

令和7(2025)年3月制定

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