後期研修プログラム

皮膚科で扱う疾患は炎症性疾患、感染症、腫瘍、遺伝性疾患、外傷など多岐にわたります。これらの疾患についての専門的知識を取得し、十分な診療経験を積み、皮膚科専門医を取得することを目的としています。同時に、基本的な臨床力が身につくこと、皮膚科の基本だけでなく皮膚科サブスペシャリティを広く経験できることも大切にしています。研修年度に応じた到達目標を設定しながら、研修修了時点で皮膚科専門医を申請するのに必要な単位・知識・臨床経験が十分取得できるように配慮しています。

 皮膚科専門医養成コースの概要

到達目標・研修内容
1年目
(卒後3年目)
  • 指導医とともに外来患者の診察を行い、皮膚所見のとり方、治療の選択方法などを学ぶ。
  • 病棟入院患者についても指導医のもと、診察、処置の基本について学ぶ。
  • ステロイド外用/内服療法の適応・使用法・副作用に習熟する。
  • 皮膚病理の基本的な所見を理解し、水疱症や腫瘍、湿疹・皮膚炎などのうち、common diseases について組織診断をできるようにする。
  • 全身麻酔の手術に立ち会い、術前・術後の全身管理、術後疼痛管理を学ぶ。
  • 腫瘍切除、植皮、皮弁形成、熱傷手術などに助手として加わり、皮膚外科の基本を学ぶ。
  • 真菌検査(KOH検鏡)、パッチテスト、プリックテスト、ツァンクテストなどを施行し、その結果について理解する。
2年目
(卒後4年目)
  • 上級医の指導を受けながら、外来診療が実践できる。
  • 入院患者については担当医グループの1人として診療に携わる。
  • 熱傷患者の状態を把握し、病態に応じた適切な対処ができる。
  • 細菌・ウイルス感染、薬疹などの急性疾患の診断と初期対応が適切にできる。
  • 終末期患者を受け持ち、ターミナルケアの基本知識と実践を学ぶ。
3年目
(卒後5年目)
  • 指導医のもと、デブリードマン、減張切開などを実際に行う。
  • レーザー治療に助手として立ち会い、レーザーの適応、操作法、注意点について学ぶ。
  • 蛍光抗体法の原理・手技を理解し、実施できる。
  • 紫外線療法、冷凍凝固法を安全・確実に実行できる。
4年目
(卒後6年目)
  • 皮膚科全般について専門医にふさわしい幅広い知識を備える。
  • 外来および入院患者の主治医として適切な医療を実践できる。
  • 患者の状態に応じた適切な手術計画を立案し、指導医とともに実践できる。
  • 皮膚科全般における検査手技・治療手技を安全かつ確実に実行できる。

 現在の皮膚科専門医資格

  1. 日本皮膚科学会入会から5年間の研修(入会していれば初期臨床研修期間も算定可能)
  2. 主研修施設(福島県では福島県立医科大学附属病院)で最低1年間の研修
  3. 経験症例数、手術数、学会発表、論文執筆の規定を満たすこと
  4. 責任指導医の推薦
  5. 皮膚科専門医試験に合格

 ※詳細や変更点は日本皮膚科学会のホームページをご参照ください。

皮膚科専門医の取得には、5年間の専門研修後に専門医試験に合格する必要があります。大学院に入学し学位取得も目指す方の場合、臨床をしながら、研究日や臨床の空いた時間に研究を行うことで、皮膚科専門医と学位をほぼ同時に取得できます。

卒後1年目2年目3年目4年目5年目6年目7年目8年目
職名臨床研修医専攻医助手/病院助手
臨床初期臨床研修福島県立医科大学
皮膚科専門医養成コース
皮膚科
専門医試験
大学院福島県立医科大学
専門医研究者コース

 指導責任者

 コースディレクター :山本 俊幸(教授、皮膚科専門医)
 副コースディレクター:大塚 幹夫(准教授、皮膚科専門医、皮膚悪性腫瘍指導専門医)
 副コースディレクター:佐藤 正隆(講師、皮膚科専門医)

 プログラムの特徴

臨床面での特徴

臨床能力の向上には多くの症例を経験する必要があります。単に症例数だけでなく、様々なバリエーションの経験も不可欠です。当教室は大都市圏と比較するとトータルの症例数は少ないものの、病院がいくつも密接して症例が分散することはなく、福島県全域から診断・治療が難しい症例や珍しい症例がほぼすべて集まるので、疾患が偏ることなく十分に経験でき、非常に勉強になります。皮膚科専門医取得の際には皮膚悪性腫瘍の手術経験数が問われます。当教室では積極的に手術を行っており、研修によって十分な力がついたら皮膚科1年目でも執刀できるので、研修期間中に十分な手術件数を経験できます。

研究面での特徴

当大学は賑やかな駅前から離れた静かな丘の上にあり、研究に専念するには絶好の環境の中、強皮症と乾癬の研究を中心に皮膚悪性腫瘍、ベーチェット病、皮膚アレルギーなどの研究に取り組んでいます。教室間の風通しもよく、基礎医学系の教室へ勉強に行くことも可能です。
研究も臨床も両方しっかりやりたい方には大学院入学を勧めています。皮膚科専門医取得後に学位取得を目指すとそれなりに時間がかかってしまいますが、当教室では臨床をしながら、研究日や臨床の空いた時間に研究を行うことで、専門医取得と学位取得を同時に目指すことができます。この仕組みにより専門医と学位の両方を取得するまでの期間を短縮することができます。

教育面での特徴

日々のカンファランス、皮膚病理組織勉強会、講演会に加え、学会発表の機会が与えられます。プレゼンテーションが上手な医師が多く、症例提示方法など丁寧に指導しています。また、担当症例について広く勉強し、できるだけ英語論文として仕上がるように丁寧に指導します。皮膚科では様々な学会が国内外各所で行われています。福島県は南東北という位置づけですが、仙台へ約30分、東京へ約90分という近さのため学会出張も苦にならず、地方都市のハンデはありません。皮膚科専門医取得の際には学会発表数や論文執筆数が問われますが、当教室での研修で十分な数を発表・執筆できます。

その他の特徴

カンファンランスや勉強会を水曜日と木曜日に集約しています。外来カンファランスや医局会がある水曜日以外は、診療業務やカンファランスが夜遅くまで行われることは少なく、18時までに全業務が終了するように心がけています。緊急の呼び出しも少ないので、研究や勉強、家族と過ごす時間、趣味など自分の時間を十分に確保することができます。

 専攻医の1週間のスケジュール例

専攻医は病棟グループへ配属され、担当医として入院患者の診療に当たります。その他に週1~2回程度、新患外来に補佐として入り、予診・検査・処置・皮膚生検について学びます。関連病院への出張では、湿疹、白癬、疣贅、帯状疱疹、褥瘡など皮膚科 common disease を経験できます。専門外来で担当医師から直接指導を受ける機会も設けています。

午前病棟業務関連病院出張入院手術新患外来病棟業務関連病院出張
(月1~2回)
午後外来手術入院手術教授回診専門外来
夕方
カンファランス
医局会
学会予演/抄読会