歯科・口腔外科

Dentistry and Oral Surgery

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教室紹介

 当科は附属病院が光カ丘キャンパスに移転した1987年6月に新設され、29年目となります。その間、1989年に日本口腔外科学会研修指定病院に、さらに2005年には歯科医師臨床研修施設に認定され、これからの歯科医師、口腔外科医の育成に努めております。当科は歯科口腔外科を標榜しており、口腔を中心に顔面や顎骨、頸部に発生した疾患の治療と研究を行っています。教室員は初期研修に6か月間の医科麻酔研修により全身管理を学び、その後に口腔外科臨床を体得するとともに、大学院で基礎研究に従事できる機会を頂いております。
歯科口腔外科で扱う疾患を以下に挙げますと、①口唇口蓋裂などの先天性疾患 ②顎骨炎などの炎症 ③歯根嚢胞などの嚢胞 ④口腔癌などの腫瘍 ⑤口腔裂傷や顎骨骨折などの外傷 ⑥白板症などの口腔粘膜疾患 ⑦下顎前突症などの顎変形症 ⑧顎関節症などの顎関節疾患 ⑨無歯顎に対するインプラント(人工歯根)治療 ⑩睡眠時無呼吸症候群に対するマウスピース治療などです。当科では、これらの疾患に対し主に外科治療を行っております。
当科で最も重点をおいている治療は、1.口腔癌の集学的治療 2.インプラント(人工歯根)治療における骨造成 3.口唇口蓋裂におけるチームアプローチです。
1.口腔癌の治療は手術、化学療法、放射線療法が主体ですが、化学療法の中でも、癌を栄養する動脈の中に耳の前からカテーテルを選択的に留置し、そこから動注化学療法を行っています。これにより高い抗腫瘍効果が期待でき、著効すれば縮小手術や放射線治療を併用することで臓器温存が可能です。また、高齢者にも比較的安全に適応できるのも大きなメリットです。この治療を行った150例のStageⅡ、Ⅲ、Ⅳの5年生存率は、それぞれ84%、83%、67%でした。
2.インプラント治療では、インプラントを埋め込むための歯槽骨が不可欠ですが、最近の再生医療の進歩により骨を造成することができるようになりました。当科では2012年度から福島県革新的医療機器開発実証事業の補助を受けて、骨造成時に使用する特殊な膜を県内の会社や東北大学と共同で開発しています。これは純チタンを非常に薄いフィルム状に伸ばし、さらに超精密微細加工を施したものです。まさに、産学官連携して開発品の上市を目指しています。
3.口唇口蓋裂の治療では、産科、形成外科、耳鼻咽喉科とのチームアプローチにより治療を行っています。出生から成人まで長期にわたりサポートします。
さらに、最近では癌治療において化学療法や手術を受ける際の適切な口腔ケア及び指導で、患者さんの口内炎や術後の肺炎が減少することが明らかになってきています。当科では看護部、各診療科、化学療法センター及び福島県歯科医師会とも連携し、少しでも患者さんのお役に立てるように口腔ケアを推進しております。

研究活動

1)2012年度福島県革新的医療機器開発実証事業.
“ものづくりinふくしま”が創出する生体模倣材料‐超精密微細加工製純チタン膜による硬組織の再生(長谷川)
2)口腔癌に対する動注化学療法の基礎と臨床について(金子、菅野)
3)口腔癌に対する新規化合物の抗腫瘍効果と臨床応用について(金子、菅野、遠藤)
4)骨誘導再生法に関わる臨床研究について(工藤)
5)高度歯槽骨吸収症例に対する歯科インプラントの応用について(工藤)
6)唇裂・口蓋裂児に対する哺乳床(人工口蓋床)を加えた治療法について(佐久間)
7)口蓋形成術が与える顎骨成長への影響について(佐久間)

8)口腔常在菌と全身疾患との関連について(土屋)
9)唾液中タンパク(NGF等)の意義について(工藤)  など

教育活動

社団法人日本口腔外科学会認定 研修施設.財団法人歯科医療研修振興財団認定 研修施設.
社団法人日本口腔腫瘍学会認定 研修施設.
以下、講義を担当.
本学医学部3年生,組織学:歯牙解剖学. 医学部4年生,歯科口腔外科学.
医学部5年生,BSLプライマリー実習. 医学部6年生,BSLアドバンス実習.
衛生学院 歯科衛生士科2年,歯科衛生学.など。

 

詳細情報

 

 

 

 

 お問い合わせはこちらへ・・・・・・oralsurg@fmu.ac.jp