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指導医からのメッセージ

医療人育成・支援センター 大谷晃司  

大谷晃司

 まず、今回の災害により犠牲になられた方のご冥福をお祈り致します。 さて、地震による津波被害、そして、原発損傷による放射線被ばく問題と、まさに未曾有な災害が福島県をおそいました。福島医大附属病院では、地震発生直後から、病院職員だけでなく、大学全体をあげてそれぞれができることをおこない、一丸となって対応してきました。その中には、医学部学生や臨床研修医がいます。ここでは、彼らの活動について記したいと思います。


1.医学部学生の取り組み
 地震発生直後から、病院実習を行っていた5年生を中心に、自主的にボランティア組織が結成されました。仕事の内容は、物品や患者さんの搬送、節水・節電のポスター作りなどです。一番多いときで、一日あたり約60名の学生が急きょ作った学生ボラアンティア室にあつまり、いろいろな仕事をしてくれました。その後、原子力発電所の被爆問題が生じ、学生の健康を守るという観点から、一度、学生ボランティア組織は解散とし、各自帰省するようにしました。しかし、被爆に関しては健康被害が生じるレベルではないことが明らかになったので、どうしてもボランティア活動を続けたいという学生による新たなボランティア組織を再編成しました。本ホームページに紹介している諸君は、このような面々です。彼らは、ボランティア活動を通じ、医療を行うには、医師や看護師だけでなく、様々な職種の人が関わりはじめて成り立つということを理解したと思います。そして、リーダーシップとは何か、チームワークとは何か、そして、1つの目標に向かって皆が努力することの大変さとすばらしさを充分に体験したと思います。この経験は、医師として生きるだけでなく、人として生きるうえでの貴重な財産となることを信じています。

2.臨床研修医の取り組み
 各科でローテーションを行っている多くの研修医で、救急科の指導のもと、救急に特化した初期治療チームをつくりました。多くの救急科の医師が、県全体の災害対策や現地での初期治療、患者搬送等の連絡や手続きに忙殺される中、残った救急科の医師の指導のもと、大学病院に搬送されてきた患者さんの診断と初期治療に大活躍してくれました。彼らがいなかったら、大学の救急医療や被災地域からの患者搬送に大きな支障が出たのは間違いありません。少々頼りなかった研修医が、日々たくましさを増して、医師らしくなってきたと感じるのは、私だけではないと思います。それぞれの研修医諸君は、今回の災害医療を通じて学んだことがたくさんあると思います。是非、研修医諸君の体験を福島医大の学生のみならず、全国の医学生や研修医と共有していただけるよう、発信して頂きたいと思います。

3.研修医の皆さんへ
 福島医大、あるいは福島県は、原発事故があったということで、いわれのない差別や誹謗、中傷を受けることが今後あると思います。しかし、私たちは、よい教育を行い、よき医師や研究者を輩出できるよう、精一杯の努力を続けます。そして、今回の災害を乗り越え、福島医大をさらに発展させ、福島の医療を再建しようという志の高い学生や研修医が集うことを切に願っています。


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