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平成30年度 大学院学位記授与式 学長式辞  (平成30年9月28日)

本日、ここに学位を授与された皆様、誠におめでとうございます。

本日まで皆さんは大学院において多大な努力の末、知識を得、思考を深め、医療者としての「心・技・体」を磨いてこられました。これからは、自ら身に付けたその知識や技をもって社会に貢献することが求められます。人々を、病の苦しみから解放することは医師として、看護職として当然の務めです。そして、さらなる医学の発展のために、これからも研鑽を積んでいただくことが期待されるのはもちろんのことです。しかし、もう一つ皆さんに意識していただきたいことがあります。それは、私たちは患者との関係だけで社会生活を営んでいるわけではない、ということです。
皆さんには、もうひとつ、社会の一員として期待されていることがあります。それは、これまでの貴重な経験に基づいた人材の育成、後進の育成です。これからは、社会の財産である、人材育成充実にもその経験と知識を活かしてください。

福島では東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故から7年以上の歳月が流れ、次第にあの惨禍と混迷の記憶が薄れ、関心を寄せる人が少なくなってきました。「風化」の流れは今後さらに加速するものと思われます。

しかし、福島における復興はまだ道半ばです。長期にわたり県民の健康を見守り、健康長寿の実現を図るといった、福島における医療面や健康面での課題は、まだまだ解決に至る道が険しいと言わざるを得ません。私たちは「復興」と「風化対策」という命題にチャレンジし、双方を推進しつつ、さらに、知を追求する者として、この災害と事故から得られた教訓を、長く広く後世に伝え、人類の共有財産としなければなりません。
 このような課題に取組み、解決を図っていくためには、今後も非常に長い年月を要します。震災直後には、全国から多くの高い志を持った人たちが、復興を支え推進するために福島に集結しましたが、これからはその志を継ぐ人材を私たち自身が育成することが不可欠かつ、急務の課題となります。

本学の前身であった須賀川医学校の学生の中には、関東大震災後、復興院総裁を務めた後藤新平がいました。震災で壊滅した東京の復興の陣頭指揮を執り、見事それを成し遂げた彼の有名な言葉があります。
「金を残すは下、事業を残すは中、人を残すは上」
その精神を私達は連綿と受け継いできたのです。今もこれからも福島は、着実な復興と風化対策のため、多くの人材を必要とします。活躍する場は変わろうとも、共に福島の地で学んだ者として、皆さん自身がその原動力になると共に、将来の新たな人材の育成にその力を貸してください。そして、社会のリーダーとして福島に新たなイノベーションをもたらす担い手になることを期待しています。
本日は誠におめでとうございました。

平成30年 9月 28日
福島県立医科大学 学長
竹之下 誠一

事務担当 : 教育研修支援課

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