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福島県立医科大学解剖慰霊祭

医学教育、学術研究の進展のため、本学では系統解剖(学生の教育のため、人体の正常な形態と構造を解明するもの)、病理解剖、法医解剖を行っています。 
その尊い御遺体を捧げた故人の徳を偲び、御霊の冥福を祈るため、遺族、来賓を招き、教職員、学生の出席のもとに、毎年秋に解剖慰霊祭を執り行っています。

第68回 福島県立医科大学解剖慰霊祭 学長式辞  (平成29年10月25日)

   

第68回福島県立医科大学解剖慰霊祭を挙行するにあたり、御遺族の皆様、御来賓の各位とともに、教職員、学生一同、謹んで御霊(みたま) 前に哀悼の意を表し、御霊の安らかならんことをお祈り申し上げます。

本日、慰霊のお供えをいたしました御霊は268柱であります。これまで併せて1万6,765柱をお慰めしてまいりました。
自らの勁(つよ) い御意志、御遺族の方々の深い御理解と御協力のもとに、看護学及び医学の教育・学術研究、そして医療の発展のために、皆様は、御遺体を解剖に供してくださいました。その崇高な御心に対し、ここに深甚なる敬意と感謝の念を捧げます。

解剖とは、現在に生きる我々が御遺体から学び、学んだことを目の前にいる病に苦しんでいる人々に生かし、そしてそれを未来に伝える営みであります。この営みを繋いでいくことにより、今の世代を通して、前の世代が次の世代に伝えたい想いが受け継がれてゆきます。
看護や医療の道を志す人間が最初に学ぶのが人体の構造や機能です。その学問である解剖は、「生命の尊厳」を認識し、「医療を志す者としての使命感」を最初に強く自覚する、節目となる教育の機会であります。
さらに、御遺体と御遺族の皆さまに思いを馳せることにより、私どもが日々向き合う方々の気持ちを推し測り、思いやり、共感し、いたわる気持ちを育み、単に知識と技術の習得に留まらない、看護と医療の本来あるべき姿を考え、追い求めることに強く結びつく機会でもあります。 
解剖の果たす役割は、これまでも、そして、これからも重要であり続けます。

東日本大震災とそれに伴う原発事故は、我々に「死生観」、如何(いか) に生きるかを突きつけました。今という時代に生きる我々が忘れかけていた事です。看護や医療を学び、或いは携わる者にとって解剖はその事を改めて我々に問い掛けてきます。
私どもは、今後とも、看護とは、そして医学とは何かという問いを常に自らに問い掛け、病める人々への希望となり、そして疾患へ挑戦する努力を惜しまないことを、御霊と御遺族の方々にお誓い申し上げます。
最後に、皆様の御高徳を偲びつつ、その御霊が安らかならんことをお祈りして、式辞といたします。



                 平成29年 10月 25日
                 福島県立医科大学  学長 竹之下 誠一


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