原町高校で医療人材育成に向けた出前講義を実施
― 患者さんを支える多職種連携と、福島で学ぶ災害医療 ―

 令和8年8月4日、福島県立医科大学は、福島県立原町高等学校の保健・医療コースの生徒を対象に、医療人材の育成に向けた出前講義を実施しました。本講義は、本学が推進する令和8年度「復興知」事業の一環として行ったものです。

 午前の講義では、看護学部の大川貴子准教授が、被災地におけるメンタルヘルス支援の経験をもとに、患者さんや家族の不安に寄り添い、生活を支える医療職の姿勢と、看護職の役割について語りました。

 午後には、循環器疾患の治療からリハビリテーション、社会復帰までを一つの流れとして取り上げました。本学附属病院では、脳卒中・心臓病等総合支援センターにおいて、多職種が連携し、循環器病の予防から治療、療養生活、社会復帰までを支える取組を進めています。

 講義では、医学部の石田隆史教授、附属病院の東雲紀子副看護師長、保健科学部理学療法学科の佐藤聡見講師が、それぞれ医師、看護師、理学療法士の立場から、患者さんを支える役割と、多職種が連携することの重要性について解説しました。

 さらに、実際に循環器疾患の治療とリハビリテーションを経て社会復帰された患者さんにもご登壇いただき、発症から治療、入院生活、リハビリテーション、社会復帰までの経験をお話しいただきました。その後の登壇者との対話では、それぞれの専門職の支援が患者さんにどのように届き、回復を支えたのかを振り返りました。患者さんを中心に多くの専門職が力を合わせる「チーム医療」の意義を、生徒たちとともに考える機会となりました。

 このほか、保健科学部診療放射線科学科の大葉隆准教授が、原子力災害医療における診療放射線技師の役割について解説しました。東日本大震災と原子力災害の経験から得られた知見を踏まえ、福島で災害医療を学ぶ意義や、将来、地域医療・災害医療を支えることの大切さを伝えました。

 講義の結びには、地域医療を将来にわたって支えるためには、地域で医療を担う人材を育てていくことが重要であると説明しました。あわせて、「自分の町の医療は、自分たちで守る」という思いとともに、「福島で学び、地域を支え、世界へ挑む」というメッセージを生徒たちに届けました。

 本学は今後も、震災と原子力災害を経験した福島で培ってきた医療・教育の知見を次世代へつなぎ、浜通りの若い世代が医療を身近に感じ、将来の進路や地域医療について考える機会を届けていきます。

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