アリソン・ロイドウイリアムズ博士(ランカスター大学)らが来学しました

令和5年7月5日(水)にアリソン・ロイドウイリアムズ博士(ランカスター大学社会学講座名誉研究員・本学特任教授)、スディパ・アベイシンゲ博士(エジンバラ大学国際健康政策部部門長)、クレア・レポルド博士(メルボルン大学地域復興研究員)が来学し、竹之下誠一理事長兼学長と懇談しました。

懇談には、挟間章博副理事長、山下俊一副学長・国際交流センター長、後藤あや総合科学教育センター教授が陪席しました。

後藤あや教授とロイドウイリアムズ博士、アベイシンゲ博士、レポルド博士らの研究グループが現在、グレート・ブリティッシュ・ササカワ財団の資金提供を受けて、「健康と災害の倫理的研究:3.11とその先へ」というプロジェクトに協力していることに端を発し来学が実現しました。各所属大学間の国際協力の促進や研究メンバー同士の議論を促進することなどが主な目的です。

また、ロイドウイリアムズ博士は、令和5年3月1日付で本学特任教授称号を授与されており、懇談の場で英語版の辞令が竹之下誠一理事長兼学長から手渡されました。

さらに、翌日の6日には、本学大学院医学研究科国際地域保健学において、災害と健康に関する研究倫理についての合同セミナーが開催され、ロイドウイリアムズ博士らに加え、上記研究グループの一人である尾崎章彦博士(常磐病院乳腺外科・本学特任教授)の4名から講演をいただきました。

ロイドウイリアムズ博士からは、災害リスクとコミュニティの関わりについて深めるために、どのように物語、ストーリーテリング及びマッピングの手法が役に立っているかが紹介されました。洪水被害を受けた子どもたちから得た実際のデータを活用し、洪水に対する一般の人々の理解と抵抗性を深めるためのインタラクティブなデジタル資料「Flood Story」についてのお話もありました。

アベイシンゲ博士からは、災害研究の倫理を研究者がどのように定義しているかについて文献レビューとインタビューをもとに行った考察についての発表がありました。東日本大震災後の研究を行う上での倫理的課題についても知見の共有があり、その中には、弱者を定義する事の難しさや、繰り返しの研究参加に対する参加者の疲労などが含まれました。

レポルド博士からは、Multiple Disaster(複合災害)についての発表がありました。レポルド博士は、エジンバラ大学の博士課程学生であった時に、南相馬市立総合病院に所属し、放射線災害に関係する研究活動をされていた事がありました。現在はその経験を生かして、オーストラリアで研究をされており、気候変動の影響でオーストラリアでは複合災害が増えているとの紹介がありました。

尾崎章彦博士は、日本の災害弱者における洪水避難への備えとそれに関連する課題についての質的研究から得られた知見を発表されました。特別な医療的ケアが必要な子どもには、避難などを想定した時に、様々な障壁や必要なサポートがある事についてお話がありました。

セミナーには、17名の参加があり、参加者からは終始多くの質問がなされ、活発な意見交換の場となりました。

七人の専門家が、福島県立医科大学のロゴが印刷された背景の前で書類を持ち、協力を示しています。
左から 山下俊一副学長・国際交流センター長 挟間章博副理事長 竹之下誠一理事長兼学長 アリソン・ロイドウイリアムズ博士 スディパ・アベイシンゲ博士 クレア・レポルド博士 後藤あや総合科学教育センター教授
金髪の講師が教室でマイクを持って講義をしている。背景にはスクリーンとホワイトボードが見える。
講演の様子(ロイドウイリアムズ博士)
講義室でマイクを持ちながら講演する女性。講義のスクリーンが横にあり、教育的な雰囲気が漂う。
講演の様子(アベイシンゲ博士)
教室でプレゼンを行う女性。プロジェクターの画面を使い、講義を行いながらマイクで話している場面。後方の壁には時計が掛かっている。
講演の様子(レポルド博士)
講義室で男性がマイクを持ち、聴衆に向かって話している。後ろにはプレゼン用スクリーンと時計が見える。
講演の様子(尾崎博士)
大学の教室で、演台に立つ講師がスライドを使って講義を行い、座っている数名の参加者がそれを聞いています。
質疑応答の様子

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