福島県医科大学放射線災害医療センター

Radiation Disaster Medical Center 安心と笑顔のある、活き活きとした生活を支援します。

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これからの放射線災害医療

「未曾有の大災害の中で」

 福島県立医科大学 放射線災害医療センターは、2012年6月に発足した新しい組織です。「放射線災害医療」というものに、東日本大震災の前から深く関わってきた方は多くありません。また大震災がなければ、一般の住民のみなさんに、その存在が重要な役割として認識されることはなかったと思います。

 不幸にも我々が日常を過ごす環境にまで放射性物質は飛散しました。そのリスク評価や不安の程度は人それぞれ様々でしょう。その中で、医療者たる我々に出来ることも限定的で、かつ気付かれることの少ない内容になります。それでも、以下に挙げる3つの点を念頭に置くことで、最終的に住民のみなさんの健康に資するよう、常に心がけています。

  • 「被ばく医療体制の充実とスタッフの教育増員が、長期に渡る廃炉作業に携わる方々のサポートとなり、作業現場での新たな事故を抑止する」
  • 「原発事故を機に住むところを離れ、大きな環境の変化の中にある皆さんに、出来る限りの公衆衛生、医療サポートの提供を行う」
  • 「乱立する情報の中から、あくまでも適正に得られたデータに基づくものを選り分け、判断の材料の一助となるよう提供し続ける」

 我々が自ら持つデータは些少であり、専従スタッフの少なさからも、多くのみなさんに有益と感じて頂ける活動にはなりにくいのが実状です。しかし、ここに関わるスタッフは、ほとんどが生粋の福島人であり、家族とともに、みなさんと同じ福島県に住んでいます。さらに、県外から応援に来ていただいている方の多くも、家族とともにこの福島での生活を営んでおられます。我々もまた、福島県に住む一住民であり、それが、この活動を続けていく原動力の一つでもあります。

 長期に亘るであろう現状の中で、短期的な支援や個人の力に頼るだけでなく、何十年も先を見据えたシステムの構築と、多くの方との知識の共有を進めていくことが、我々に与えられた責務と考えています。そして「ここに暮らしていくことの意味」をお互いに見つめ合えるよう、被ばく医療の枠を超えた対話を継続していく所存です。

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