福島県立医科大学小児科学講座の変遷
福島県立医科大学小児科学講座は、1920年4月15日、公立福島病院に小児科が新設され、初代部長として池田龍一先生が京都帝国大学小児科学講座より着任した時に始まります。そして、1951年4月1日福島県立医科大学の発足と同時に小児科学講座初代教授となり当講座が開講されました。池田先生が研究面で最も重点をおいたテーマは、その当時結核とともに国民病と言われた脚気の原因に関する研究でした。
2代目大原徳明教授は、1951年7月1日に札幌医科大学小児科学講座助教授から本学助教授として着任し、1956年10月1日から教授に昇任しました。大原教授は水・電解質代謝、ことに細胞内電解質代謝を研究され、脱水症に対する輸液療法確立をテーマとしておりました。
3代目鈴木仁教授は、1982年1月1日、本学助教授から教授に昇任しました。鈴木教授はウイルス感染と腎障害に関する研究を主なテーマとし、精力的に実験的・臨床的研究を行っておりました。また、腎疾患、血液・腫瘍性疾患、感染症、循環器疾患、新生児・未熟児疾患、神経疾患などの各診療分野の充実に尽力されました。
4代目となる細矢光亮は、2007年3月1日、本学講師から教授に昇任しました。細矢は中枢神経系感染症の病態解明と治療法の確立を研究テーマとし、感染症に伴う急性脳症や熱性けいれんの病態を探究し、難治性遅発性ウイルス感染症である亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の治療法開発に取り組んでいます。さらには教室全体のテーマとして、感染症、慢性腎炎、自己免疫性疾患、慢性肺疾患などの炎症性・免疫性疾患の研究も精力的に行っています。
当講座には、池田先生により『春生會』と命名された同門会があります。年々その規模は増し、2007年度には医師会員が200名以上、看護師・医療技師・事務会員が150名以上になり、年1回の総会は毎年盛会で、たくさんの方々が出席され、世代を越えて交流を深めております。