製品レビュー&実験例

Med Associatesのオペラントチャンバー

生体機能にはマウスのMedオペラントチャンバーが8台、ラット8台、あとは特殊な実験用に数台のオペラントチャンバーがあります。実験の目的次第で中身のパーツを変えられることがMedのオペラントチャンバーのいいところなんですが、欠点もいろいろあります。とにかく柔いアルミフレーム、インチ仕様のネジ、一品ものかと疑うぐらい部品の寸法がまちまち(多分一品ものなんだと思う)、などなど。

筋力自慢の人が使うとアルミフレームのネジ穴はすぐに普通のスルー穴になり、ネジをなくしたら日本では代用品が手に入らず、リトラクタブルレバーは物によってレバー出口に引っかかっちゃったり、手間のかかる品物であります。

そんな苦労話を集めたら、ブログネタは尽きません。そんなわけで、今回ご紹介するのはこれ。

 

これはグリッド床につけたハーネスとlickometerをつなぐ線。普通と違うのはD-sub9ピンのハウジングから2本線が出ているところ。D-sub側がハーネス、白いコネクタ(molex)はlickometerにくっつきます。普通の人は液体報酬は1種類かもしれませんが、稀に2種類(以上)使う人もいるんですよね。その時にこの改造が必要となります。つっても、ただハンダで繋げるだけです。

ハウジングをばらすとこんな感じ。元の製品はハンダでD-sub9ピンの裏側が全部つながっています。ここにAWG22のコード2本をハンダしていきます。

これはRSコンポーネンツから買った30mリールの線。なんでもいいんです。

両端の被膜をはいだ部分にハンダをしみこませます(こてをあてて溶かす)。

コンタクト部分もRSコンポーネンツより購入。雄ピン。

こんな感じでセット。カシメ前です。

こういう道具があります。圧着工具ってやつで、電子工作しない人には無縁の工具です。ブレまくりの写真ですがHozanのP-706です。年に何人来るか分からないブログのために写真を撮りなおすことはしません。これでカシメてピンが外れないようにします。カシメ失敗したら素直に切ってやり直しましょう。

そしたらソケットに差し込みます。

1ピン用メスソケットもRSコンポーネンツから購入。これ、molexという会社が出していて、MedAssociatesのオペラントチャンバーの白いコネクターはすべてmolex製。2ピン用、3ピン用、メス・オス、それぞれそろえておきましょう。だいたい、コネクターがすげー硬いので、抜くときにめちゃくちゃ苦労するんですよね。筋力で引き抜こうとするとたまにコードがソケットから引っこ抜けちゃったり、コントローラーの受け具が壊れたりするので注意が必要です。コネクターやコンタクトピンはいざという時のために買っておきましょう。

ソケットの反対側はこんな感じでハンダでつけていきます。ここでハンダ線をあてる必要はありません。先ほどコードに染み込ませたハンダで十分くっつきます。ちなみに、世の中のほとんどの製品のはんだ付けは無鉛はんだでやられていて、鉛入りハンダのこてでは溶けません。鉛はんだも上に乗りづらいのでコードのはんだ付けの際は工夫が必要です。私は前ついてたコードの切れ端にハンダ付けしました。

こんな感じで完成。ソケット部分はlickometerの1番のグランド線、2番のグランド線に接続します。

 

今回は簡単な改造ですが、二つのスパウトのリック数をそれぞれカウントするにはこれが必要です。そんなマニアックな実験をする人はぜひ作ってみてください。

それではまた!