研究室ブログ

尾崎紀夫先生の講義とセミナー

 12月6日に,名古屋大学大学院医学系研究科精神医学・親と子どもの心療学分野教授,尾崎紀夫先生をお迎えして,医学部2年生向けの特別講義(タイトル:ゲノム医療の成果を精神科医療に活かし,当事者・家族に還元するために)をおこなっていただきました。また,研究者・医療従事者・大学院生向けに,「統合失調症・自閉症スペクトラム症のゲノム解析結果を起点とした分子病態解明」と題して,ご講演いただきました(Molecular Medicine Seminar Series 第73回として実施)。尾崎先生は,当講座の小林和人先生と同じく,名古屋大学医学部第一生化学教室(当時)・永津俊治先生の門下生でおられます。

 セミナーではまず,22q11.2欠失やMeCP2遺伝子に変異が生じるレット症候群などを例に,精神障害の分子病態解明の必要性をご説明いただきました。病態解明の起点として位置づけられるゲノム解析について,統合失調症や自閉スペクトラム症に関するご研究からご説明され,ゲノム上の変異がどのように分子病態につながっているのか,という研究の具体的な戦略については,患者由来のiPS細胞や遺伝子改変モデル動物を有機的に用いてRELN欠失統合失調症を研究した最近の成果についてご紹介されました。

 時折はさまれる小林先生との愉快なかけあいは「同じ釜の飯を食った」者同士ならではでした。尾崎先生のユーモアの中に,医師という立場から見た基礎研究に対する本音のコメントがあったりして,ご講演後の質疑応答までたいへんに盛り上がりました。

 

 

セミナー終了後は,筒井健一郎東北大学教授,國井泰人福島県立医科大学准教授,藤原寿理福島県立医科大学助教(システム神経科学)もご参加いただき,次週の適応回路シフト成果報告シンポジウムの打ち合わせ会議を,福島駅近くでおこないました。

 

 

尾崎先生,この日は遅くまでお付き合いいただき,ほんとうにありがとうございました。