この製品を何に使うか分からない方は、今回の記事はつまらないと思いますので、どうぞ読み飛ばしてください。
こういう品物ってなかなか情報がなくて、どれが自分の実験に最適なのかわからないですよね。そんなあなたに贈る使用感のレポートでございます。関係者からの利益供与はまったくなく、小林研の研究費で購入したものです。日本の他の研究者が購入する時に参考になれば幸いです。バイオリサーチセンター(BRC)さん経由で購入しています。
買ったのは下記の製品です。XとYには、それぞれ自分の実験に適した長さが入ります。インターナルカニューラのほうはダミーより1 mm突出で注文しています。
ダブルガイドカニューラ | C235GS-5-X/Ymm |
ダブルダミーカニューラ | C235DC-5-X/Ymm |
ダストキャップ | 303DC/1 |
ダブルインターナルカニューラ | C235IS-5-X/Ymm |
26Gのガイドカニューラとダストキャップは袋に個数分が入っている状態で納品、ダミーカニューラとインターナルカニューラは下記のようなソフトケースに入って納品されました。

写真1 インターナルカニューラのソフトケース
今回、我々が購入したものはガイドカニューラ部分が突出したタイプではなく、すり鉢状になったタイプです。急性で注入する時にインターナルカニューラを挿入しやすい、らしいです。前まではシングルの突出したタイプを購入したのですが、インターナルがなかなか入らなくて焦るんですよね。そこでダブルのすり鉢タイプを選んでみました。

写真2 ダブルガイドカニューラの上から見た図
ダブルダミーカニューラは強度が貧弱です。製品の限界か、Made in USAの限界か、新品の状態でも歪んでます。写真3の上段にあるのがダミーで、左端の曲がったやつも写真2の二つの穴に挿入します。挿入するときに初めて分かるのですが、ダミーが並行&まっすぐでもすり鉢状のガイドに入れるのは難しく、コツが分かるまではなかなか入りません。歪んでいるやつはイライラ度Max。

写真3 ダミーとガイド
中には写真4みたいのも入っていて、知恵の輪なみにイライラします。

写真4 ダミーの側面
ダミーをガイドに入れ終わったら、上からダストキャップをかけて完成です。ガイドカニューラは華氏270度(摂氏約132度)まで耐えられるようで、オートクレーブが可能です。おそらく他の製品も同様にオートクレーブできるでしょう(私は調べていないので、ご自分で調べてみてください)。我々は組み立てたものをエタノールに漬けこみ、使用時にライターでエタノールを飛ばしています。
どうやって送液するかは研究者それぞれだと思いますが、我々はエイコムのバイトンチューブを利用して下記の写真のようなinletを作りました。インターナルカニューレのinlet部分が多少曲がりますが、問題なく注入できると思います。

写真5 実際に組み合わせたところ
実際に使用してみると、2本のインターナルを別々に装着して注入するよりは、(慣れれば)はるかに楽に装着・注入できます。一方で製品が非常に繊細なので構造が脆弱です。特に使用していて困ったな、と思った点はダブルインターナルカニューラの片方が詰まると、使い物にならなくなるという点です。どうしても細いので詰まりやすいのは仕方がないのですが、二つくっついている最大の弱点がこれかもしれません。掃除する方法があればなぁ。
それでは、良き研究ライフを!