公立大学法人福島県立医科大学 ふくしま国際医療科学センター 先端臨床研究センター(センター長:竹之下 誠一、福島県福島市)と積水メディカル株式会社(社長:田頭 秀雄、本社:東京都中央区、以下積水メディカル)創薬支援事業部はイメージング技術を用いた非臨床/臨床試験・再生医療技術評価サービスの業務提携を行い、これらの試験受託を開始いたします。
PET等を利用したイメージング試験は、創薬プロセスの迅速化、及び効率化に有効なツールであり、近年、大きな注目を集めてきています。福島県立医科大学は同一敷地内で放射性薬剤の合成から非臨床、臨床研究、そして治験までを一気通貫で完結することが可能な日本でも稀有な施設であり、積水メディカルは薬物動態試験受託実績を強みとした開発型受託機関(CRO)であります。今回の提携により、創薬初期から早期臨床評価のプロセスにおいて、多面的なアプローチを、適切な品質管理基準と共に、効率的に提案する事が可能となります。また、従来の低分子医薬品開発に限らず、抗体医薬、核酸医薬の分布・薬理評価、再生医療分野における移植細胞の追跡、機能評価等、移植後細胞の治療効果や安全性評価等にイメージング技術を応用することが可能となります。
イメージング技術を用いた創薬支援サービスの内容
1.化合物の標識化
αβγ線核種、PET核種、SPECT核種、蛍光プローブによる標識化を行います。
対象化合物は、低分子化合物からペプチド、タンパク質、抗体などの高分子化合物まで幅広く対応致します。合成研究の成果を、そのまま非臨床/臨床研究へ拡張できます。
2.小動物用を用いた体内動態の画像化・薬効薬理試験
小動物用CT/SPECT/PEt、小動物用蛍光イメージングを用いて体内動態を画像化し、解析することで、化合物の標的臓器への移行を評価します。
対象動物は、マウス及びラットで、核種疾患動物、遺伝子改変動物、ヒト化動物(ヒト肝細胞キメラマウス等)にも対応いたします。
3.臨床試験における体内動態、臓器内分布などの評価
12床の臨床研究専用病床、試験薬調製室を完備しています。PET/MR/CT等を用いた臨床薬理試験を、分子イメージング技術と組み合わせて実施できます。
・合成技術移転時間の削減
・被験者の施設間移動が不要
4.RI治療薬(内照射療法)の開発支援
福島県立医科大学病院のみらい棟に整備されるRI病床9床(国内最大照射量1000mCiまで可能)にて、治療薬としての臨床開発試験が実施できます。用量設定などのPhase1試験から実施対応可能です。分子キャリアの開発、非臨床試験も実施可能です。
<報道関係からのお問い合わせ先>
[内容に関するお問い合わせ]
公立大学法人福島県立医科大学 〒960-1295 福島県福島市光が丘1
先端臨床研究センター 臨床研究・治験部門
臨床研究・治験ユニットリーダー 稲野彰洋(事務局:復興事業推進課)
TEL 024-547-1111 FAX:024-581-5164 E-mail:ainano@fmu.ac.jp
積水メディカル株式会社 〒103-0027 東京都中央区日本橋3-13-5
創薬支援事業部 事業企画室 伊藤 諭史
TEL:03-3271-5634 FAX:03-3272-0700 E-mail:satoshi.itou@sekisui.com
[その他のお問い合わせ]
積水メディカル株式会社 〒103-0027 東京都中央区日本橋3-13-5
総務グループ TEL:03-3272-0672 FAX:03-3278-8774
積水メディカル株式会社 二宮真一取締役(右)と竹之下誠一 先端臨床研究センター長(左)
本年1月末に「環境動態解析センター棟」「先端臨床研究センター棟」の2つの建物が竣工し、4月から一部の業務が始まったため、4月18日(月)に先端臨床研究センター棟で開所式を行いました。
環境動態解析センター棟には、量子科学技術研究開発機構(量子機構)放射線医学総合研究所(放医研)福島再生支援本部研究分室が開設し、先端臨床研究センターの環境動態調査部門と連携して研究を行います。
開所式では、菊地理事長、量子科学技術研究開発機構の平野理事長のあいさつの後、竹之下センター長、放射線医学総合研究所福島再生支援本部の石田本部長より、当センターの取組、環境動態調査事業の事業概要について説明を行いました。
当センターの取組により、県民の皆様の安全安心を維持・確保してまいります。
2015年12月19日、石川県金沢市の金沢ニューグランドホテルにおいて、「第2回核医学治療国際シンポジウム」をふくしま国際医療科学センター主催で開催いたしました。
このシンポジウムは、国内外のRI(ラジオアイソトープ)内用療法の専門家が一堂に会し、同分野の今後の発展を目指し、最新知見の報告や情報交換を目的として開催されました。
今年5月の大阪に続いて2回目の開催となり、国内外から100名を超す研究者の皆様にお集まりいただきました。
初めに竹之下誠一先端臨床研究センター長からのあいさつに続き、来賓の文部科学省研究振興局研究振興戦略官の松岡謙二様からもごあいさつをいただきました。
その後、核医学の第一線でご活躍されている金沢大学の絹谷清剛(きぬや せいご)教授をはじめ、海外からの招待者4名を含む、総勢13名からの報告、講演があり、活発な意見交換も行われました。
最後には、核医学治療の発展のため、研究機関や企業、患者団体も含め、福島を中心としたオールジャパンの体制で研究を推進することが確認され、盛会のうちにシンポジウムは終了しました。
伊藤浩副センター長を当番世話人として、「第12回小動物インビボイメージング研究会」を
2016年7月30日(土)に本学で開催いたします。
【開催日】
2016年7月30日(土)
【開催場所】
福島県立医科大学
研究会の開催は午後ですが、午前中は診断用および治療用核種製造の2台のサイクロトロン、
小動物用PET/SPECT/CT装置、臨床用PET/CTおよびPET/MR装置を導入し稼働を開始した
ふくしま国際医療科学センター先端臨床研究センターの見学会を企画いたしております。
また、研究会終了後は福島駅周辺での情報交換会を予定いたしております。
詳細は、確定次第随時ご案内いたします。
担当:久保均(先進医工学応用医学ユニット)、伊藤浩(分子画像学部門)
2015年10月23日~24日に東北大学で開催された「第78回日本核医学会北日本地方会」において、原孝光准教授らの研究グループが優秀演題賞を受賞しました。
<受賞した研究について>
「福島県立医科大学のPET/CT検査における患者被曝量の紹介」
近年、国内において医療被ばくの問題が話題となっていますが、PET-CTのような複合撮影検査には被ばく線量の参考レベルの設定が存在しないことから、本研究では、将来的に自施設で被ばくレベルの設定を行うために、当センターで行っているPET/CT検査時の被ばく線量を患者個々に評価し、その結果について紹介しました。
伊藤浩副センター長が代表世話人を務める「第5回核医学画像解析研究会」が12月12日(土)に東北大学で
開催されます。
【日時】
平成27年12月12日(土) 13:00~17:00
【会場】
東北大学 サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター
分子イメージング研究センター2階講義室
仙台市青葉区荒巻字青葉6-3
【核医学画像解析研究会】
当番世話人:渡部 浩司(東北大学)
代表世話人:伊藤 浩 (福島県立医科大学)
世話人:茨木 正信(秋田県立脳血管研究センター)
生駒 洋子(放射線医学総合研究所)
【詳細】
・第5回核医学画像解析研究会リーフレット(PDFファイル)
・第5回核医学画像解析研究会のご案内(放射線総合医学研究所分子イメージング研究センターの
HPへリンクします)
2015年7月8日、本学放射線医学講座の石井士朗先生を講師に、「FDG-PET検査の有用性」と題した講演会を開催いたしました。
この講演会は、PET検査機器を用いた臨床診断と、その後の治療に対しての理解を深めるために開催したもので、今年1月に続いて2回目の開催となり、学内外の約70名にご参加いただきました。
石井先生からは、FDG-PET検査の原理や特徴などの概略から、有用性の高いケース、治療効果への影響、PET-MRIが優れた組織コントラスト分解能を持ち、被ばく量も抑えられることなどについて、データを示しながら解説していただきました。
また、原孝光臨床イメージングユニット(現:病態分子イメージング科学ユニット)リーダーから「PET検査申し込みの流れと注意点」について説明を行い、PET検査の積極活用を呼びかけました。
※FDG-PET検査とは・・・
FDGというブドウ糖に似た薬剤を体内に投与し、その体内分布を画像化して診断を行う
検査で、がんや心臓、脳の病状の早期診断に有用です。
2015年4月16日~19日に横浜市で開催された第71回日本放射線技術学会総会学術大会において、久保均准教授らの研究グループが銅賞を受賞しました。
この学会は、毎年4月に日本放射線技術学会、日本医学放射線学会および日本医学物理学会が合同で開催するものであり、国内外の専門家が一同に会する放射線医学に関する国内最大の学会となっています。久保准教授は昨年度も同大会で金賞を受賞しており、今回は2年連続受賞の快挙となりました。
<受賞した研究について>
「Evaluation of the New Functional Magnetic Resonance Contrast Medium with Androsterone Structure」
研究発表の内容は、男性ホルモンの一種であるアンドロステロンを組み込んだ新たなMRI造影剤を開発し、マウスにおける体内動態を評価したもので、従来の造影剤と比較して造影能に優れ、また、異なる体内挙動を示すことが判明しました。
本研究は新たな機能を有するMRI造影剤を開発するものであり、画像診断や個別化医療等に大きな影響を与える画期的なものであることが評価され、受賞に至りました。
2015年3月30日、近畿大学高度先端総合医療センター教授の細野 眞(ほその まこと)先生を講師にお迎えして、ラジオアイソトープ(RI)内用療法講演会を開催しました。
『アイソトープ治療の推進に向けて‐ヨウ素131からアルファ核種へ‐』と題して行われた講演では、症例などのデータを交えながら治療の有用性や最近の動向、今後の展望などについてお話をいただいたほか、国内でRI治療病室の不足が深刻となっている現状についても触れられ、国内最大規模となる9床の病床が整備される本学への期待が述べられました。
この講演会は、ふくしま国際医療科学センター先端診療部門で実施予定のRI内用療法についての理解を深めることを目的として開催したもので、昨秋に続き2回目の開催となります。講演会の前には学内でRI内用療法に携わる予定の医療関係者等が集った意見交換会も行われました。
2015年1月20日(火)、塩崎恭久厚生労働大臣が来学され、本学の復興への取り組みや課題について、菊地臣一理事長はじめ本学理事と意見交換されました。その際、当センターに導入されているPET/MRI(国内1号機)の視察も行われました。
PET/MRIの視察では、伊藤浩副センター長が、機器や画像データを前に機器の特徴や臨床的な有用性について解説したほか、最先端の医療機器をより多くの方にご利用いただくためには、保険適用範囲の検討が必要であることなどについて説明いたしました。