研究紹介
脳血管障害における治療の有効性と安全性に関する網羅的・探索的研究
研究期間
2025年6月 〜 2028年3 月
研究の目的・意義
脳神経外科学講座では、脳の病気に対して様々な手術を行っています。その中でも脳出血や脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管障害は患者さんの数が多く、日本の死亡原因の第4 位となっています。また、福島県においては2020 年の脳梗塞の死亡率が男性で全国ワースト5 位、女性は全国ワースト3 位となっており、治療成績の改善が求められています。
この研究では福島県立医科大学附属病院で診断・治療(開頭手術・脳血管内手術・神経内視鏡手術・放射線治療・内科的治療など)が行われた脳血管障害の患者さんについて、年齢や性別、既往症、内服の種類、手術の内容などの情報を収集し、治療の有効性や合併症の内容などを集計して解析し、有効性・安全性に関わる要因を調べ、よりよい治療法の開発につなげることを目的としています。
さらには、この研究を通じて得られた結果に基づいて、今後新たな研究へと結びつけ、最終的には福島県の脳血管障害の死亡率を改善することを目指しています。
研究対象となる方
この研究は脳血管障害の患者さんの治療の有効性と安全性を明らかにすることを目的としているため、2017 年4 月1 日から2027 年3 月31 日までに脳血管障害(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳動静脈奇形、未破裂脳動脈瘤、頸部頸動脈狭窄症、頭蓋内動脈狭窄症、硬膜動静脈瘻など)にて当院へ入院・治療を行った患者さんが対象です。
研究の方法
対象となる患者さんの氏名等の情報を削除し研究ID に置き換えて特定できない様にした上で、年齢、性別、生年月日、既往歴、家族歴、生活歴、初診時および経過中の臨床所見、血液検査所見、X 線・CT・MRI・SPECT・脳血管撮影検査・PET などの画像所見、病理学的所見、手術の方法、手術に用いた機器・器具、手術所見と術中画像所見、術中電気生理モニタリングデータ、全身麻酔に関する情報、投与薬剤の詳細、リハビリテーションの導入時期と内容、および再発の有無、生存期間など臨床経過に関するデータを収集します。
これらのデータは通常の診療で得られるものであり、通常の診療に必要のない研究目的の検査や手術、投薬等を追加することは一切ありません。
試料・情報の利用を開始する予定日
2025年7月1 日
研究組織
この研究の研究事務局は福島県立医科大学脳神経外科学講座であり、研究責任者は脳神経外科学講座 藤井正純です。集められた情報の管理責任者は福島県立医科大学学長 竹之下誠一であり、それらの情報は福島県立医科大学脳神経外科学講座で利用し解析を行います。
他の機関などへの試料・情報の提供について
収集された情報について、他の機関などへ提供することはありません。
この研究に関する問い合わせ
この研究に関して質問などございましたら、下記の連絡先までお問い合わせください。他の研究対象の方の個人情報や知的財産の保護などに支障がない範囲で、研究計画書や研究方法に関する資料が閲覧できます。
また、試料・情報がこの研究に利用されることについて、研究対象者ご本人または代理の方にご了承いただけない場合は、研究対象者とはせずに試料・情報の利用や提供はいたしませんので、下記の連絡先までお申し出ください。その場合でも研究対象者ご本人または代理人の方に不利益が生じることはありません。なお、研究結果がすでに医療系雑誌への掲載や学会発表がなされている場合は、データを取り消すことは困難な場合もあります。
問い合わせ先
〒960-1295 福島県福島市光が丘1番地
公立大学法人福島県立医科大学医学部脳神経外科学講座 担当:前田卓哉
電話:024-547-1268
FAX:024-548-1803
e-mail:t-maeda@fmu.ac.jp
交流電場療法の有効性・安全性に関する後方視的研究
1. 研究の対象
交流電場療法が使用可能となった日から2020年6月までに放射線併用テモゾロミド療法を終了した症例で交流電場療法を受けた方
研究に参加いただけるのは、以下の項目にあてはまる方です。
- 1.疾患名:WHO分類改訂第4版で初発膠芽腫と組織学的に診断
- 2.発症時年齢18歳以上、80歳未満
- 3.性別は問いません
- 4.維持療法開始時に自分自身のことができる状態であった方
- 5.放射線治療とテモゾロミドの同時併用療法を受けた方
- 6.摘出度は問いません
- 7.ギリアデル・光線力学的療法を受けた方
2.研究期間
2025年9月(研究実施許可日)~2027年7月
3.試料・情報の利用及び提供を開始する予定日
当院で試料・情報の利用を開始する予定日及び外部への提供を開始する予定日は以下の通りです。
利用開始予定日 | 2025年9月1日 |
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提供開始予定日 | 2025年9月1日 |
4.研究目的
本邦における本邦における再発膠芽腫患者さんに対する交流電場療法の効果、安全性を、後方視研究を通して明らかにします。
5.研究方法
すでにある情報を利用して研究を行います。
6.研究に用いる試料・情報の種類
以下の既存の情報を収集します。
- 1.患者背景:再発時年齢・再発腫瘍の発生部位、診療で得られた腫瘍のIDH、BRAF,Histone遺伝子などの変異に関する情報
- 2.神経症状:再発時と交流電場療法中止時のKPS、意識状態、麻痺・失語などの巣症状の有無
- 3.再発病変:再発腫瘍の発生部位、初発病変との位置関係、大きさ
- 4.再発病変に対する治療内容
- 摘出の有無・摘出時期(年月)、カルムスチン脳内留置用剤の使用の有無、組織診断
- 放射線治療:線量、分割回数
- 化学療法:化学療法、回数、分子標的薬の内容、治療間
- 5.交流電場療法使用の有無・使用期間・装着率・中止時期、中止理由
- 6.交流電場療法使用に伴う合併症(頭皮・創部、けいれん、白質脳症)
- 7.2回目の再発の有無、再発様式
- 8.生存・死亡日
7.外部への試料・情報の提供
福島県立医科大学から東北大学への提供は、電子的配信(e-mail,web等)で行います。
なお、個人情報提供を行う際の当施設における管理責任者は、福島県立医科大学学長竹之下誠一 です。
8.研究組織
研究代表者:大学院医学系研究科・神経外科学分野 金森政之
研究事務局:大学院医学系研究科・神経外科学分野 下田由輝
共同研究機関:別紙「共同研究機関一覧」
9.利益相反(企業等との利害関係)について
当院では、研究責任者のグループが公正性を保つことを目的に、情報公開文書において企業等との利害関係の開示を行っています。外部との経済的な利益関係等によって、研究で必要とされる公正かつ適正な判断が損なわれる、または損なわれるのではないかと第三者から懸念が表明されかねない事態を「利益相反」と言います。
使用する研究費は東北大学大学院医学系研究科脳神経外科学講座運営交付金です。
本研究は、研究責任者のグループにより公正に行われます。本研究の利害関係については、現在のところありません。今後生じた場合には、所属機関において利益相反の管理を受けたうえで研究を継続し、本研究の企業等との利害関係について公正性を保ちます。
この研究の結果により特許権等が生じた場合は、その帰属先は研究機関及び研究者等になります。あなたには帰属しません。
10.お問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせください。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出ください。
また、情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
研究代表者
東北大学大学院医学系研究科脳神経外科学分野 准教授 金森 政之
住所:〒980-8574 仙台市青葉区星陵町1-1
電話:022-717-7230 (脳神経外科医局:平日9時~17時)
E-mail: masayuki.kanamori.e8@tohoku.ac.jp
当院における照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先
当院の研究責任者:福島県立医科大学脳神経外科学講座 助教 蛭田 亮
住所 :〒960-1295 福島市光が丘1番地
連絡先:024-547-1268