研究活動
免疫学講座の研究内容
開講以来、教室では一貫して自然免疫の補体を対象とする研究を行っています。補体は発見されてから100年以上が経過し、この間に30種類以上の補体因子が発見され機能が解明されてきました。しかし、歴史が長い補体学は新しい知見が出し尽くされ、学問として魅力がないと思われがちです。自然免疫での役割を解明する補体研究はそうかもしれません。一方、補体関連疾患での役割を解明する補体研究は、まだまだ未知のことがたくさんあります。その研究成果は、ヒトの健康に還元できる魅力的な学問です。
教室では、これまでに補体因子MASP-1を発見し、レクチン経路の存在を示しました。近年では、第二経路の補体因子としてのMASP-3の機能を解明し、さまざまな疾患への関与を示してきました。この流れを受けて、教室では補体関連疾患とよばれる炎症性疾患で悪さをする補体因子を標的とする治療法の開発を目指しています。
教室では次のように、基礎医学と臨床医学の橋渡しとなる研究に重点を置いています。
基礎医学研究
- MASP-3の基盤研究
- 補体制御因子の基盤研究
- 補体関連疾患モデルマウスを用いた補体関与の解明
臨床医学研究
- 加齢黄斑変性と補体(眼科との共同研究)
- 前立腺肥大症と補体(泌尿器科との共同研究)
- 肝臓の虚血再灌流障害と補体
創薬研究
- レクチン経路と第二経路を標的とする補体阻害薬の開発
産学連携の推進
福島県立医科大学では、共同研究・受託研究・新規事業の開拓・製品開発等を通じた産業界との連携をより推進するため、研究シーズ集を作成いたしました。
詳細は以下のリンクをご参照下さい。