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 お知らせ

術後下肢静脈血栓症予防のための弾性包帯により、皮膚障害が生じた医療事故の発生について

 本院におきまして、術後の下肢静脈血栓症(*1)予防のため使用していた弾性包帯により、皮 膚障害が生じた医療事故が発生しました。患者様、ご家族をはじめとしてご関係の皆様には、 このような事態を招いてしまったことについて、深くお詫び申し上げます。本院はこの事態を 重く受け止め、再発防止策の徹底に努めてまいります。

*1 手術などで長い時間、下肢を動かさないときに、下肢の静脈に血栓(血液の塊)ができて  しまうこと

1 患者様

  10 歳未満

2 事故の概要

 令和4年12月、患者様は手術を受ける際に、下肢静脈血栓症予防の目的で弾性包帯が使用されました。手術の2日後、包帯が巻かれている下肢を確認したところ発赤、水疱が生じていました。その部位は時間経過とともに皮膚潰瘍となり、手術の約1か月後に皮膚移植術が施行されました。また、現時点で原因は明らかではありませんが、術後に下肢の神経障害も生じています。
 今後も、本院にて引き続き、手術を行うことになった病気に対する治療を継続し、下肢神経障害についてもリハビリを行ってまいります。

3 事故発生原因

(1)長時間の手術であり、手術を行うこととなった病気による血栓症 リスクがあるため、下肢静脈血栓症予防を行うと判断されました。
(2)患者様に合うサイズの弾性ストッキングがないため、下肢静脈血 栓予防には一般的には推奨はされていない弾性包帯が代わりに使用 されました。
(3)手術後の浮腫と、使用していた包帯がずれたことにより、包帯の 一部分に圧迫が強く加わったと思われます。
(4)複数診療科での手術であり、複数の病棟で術後管理を行いました が、下肢の状態確認について、徹底されていませんでした。

4 再発防止策

(1)下肢静脈血栓予防には原則として弾性包帯は用いない。やむを得 ず使用する場合は包帯 部分の観察頻度・方法の指示を出し、観察を 適切に実行します。
(2)医療者間での患者状態に関する情報共有を緊密に行います。


※ 本件事故の公表にあたっては、本院の規定にもとづき、患者様及 びご家族のご了解と合意を得た範囲で公表するものです。


 お問い合わせ先

公立大学法人福島県立医科大学 附属病院 医療連携・相談室
  電 話 (024)547−1818