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 お知らせ

画像検査所見が共有されず、肺癌の診断が遅れた医療事故の発生について

 本院におきまして、胸部CT検査の画像診断で、肺に結節(*1)があると指摘されていたにもかかわらず、その所見が担当医と共有されず、肺癌の診断が遅れた事故が発生しました。患者様、ご家族をはじめとしてご関係の皆様におかれましては、このような事態を招いてしまったことにつきまして、深くお詫び申し上げます。

(*1)肺の部分にみられる比較的均質の白い影

■ 事故の概要

 患者様は70歳代で、自己免疫疾患(*2)に関連する間質性肺炎(*3)の経過観察のため令和元年5月に胸部CT検査を施行されました。その際の放射線科からの画像診断報告書において肺に結節があると指摘されておりましたが、当時の担当医がその指摘に気づかず、結節の診断のための検査や経過観察のための胸部CT検査などが行われませんでした。患者様は令和2年7月に体調不良にて精査した結果、進行肺癌と診断されました。現在、本院にて引きつづき治療中であります。

(*2)自分の免疫により体のいろいろなところに炎症が起きる病気。
(*3)肺の組織に炎症等が発生して体に酸素の取り込みがうまくできなくなるとともに、肺の組織が硬くなり肺が膨らみにくくなる病気。呼吸困難や空咳などの症状がある。

■ 当院での対応について

 本院としてはこの事態を重く受け止め、全診療科を対象として過去の画像診断検査についてヒアリングを行った結果、同様の事例は確認できませんでした。
 画像診断報告書の確認不足による診断の遅れについては,国立大学附属病院長会議常置委員会から「画像診断レポート等の確認に関する安全対策」が提言されております。当院ではその提言に則した診療体制を構築しておりますが、あらためて対策について検討した結果、画像診断報告書の確認およびその後の適切な診療の実施を周知徹底することに加えて、注意喚起を要する所見を強調表示するなど視認性を高めるように工夫することを検討し、安全対策に万全を期してまいります。

※ なお、本件事故の公表にあたっては、本院の規定にもとづき、患者様及びご家族のご了解と合意を得た範囲で公表するものです。

 

 お問い合わせ先

公立大学法人福島県立医科大学 附属病院 病院管理課
  電 話 (024)547−1819