公開講座と技術講習会

東日本大震災からの復興にあたり, ものごとの原理・原則に立ち返って考え, 対応することが求められています。 当センターには,さまざまな専門分野の教員が所属しています。 多様な専門性を活かして,公開講座や技術講習会を開催することにより, 福島県民との連携を深め,地域の復興・発展の一助となることを願っています。 ご興味をお持ちの方は, 左下の 【このサイトに関するお問い合わせ】 より電子メールにて ご連絡下さい。

公開講座
主に講演,講義形式の講習,ならびに観察会を医科大学や各地域の施設で行います。

技術講習会
実験技術,調査研究の方法などについての講習を,主に医科大学の施設・教室を利用して行います。設備等に問題がなければ,学外の施設での開催も可能です。

公開講座 (9講座)

1. 超伝導の利用と研究
対象 高校生以上
受講者数 50名程度
講師 数物・情報・統計科学領域 教授 開 康一

電気抵抗がゼロになる現象として知られる超伝導現象について解説します。 超伝導体でできた電線は発熱することなしに大きな電流を流すことができるので, 超伝導コイルを用いると大きい磁力を得ることができます。 このことから超伝導は磁気浮上式鉄道や磁気共鳴画像診断に不可欠な技術です。 超伝導線の閉じたループに電流を流すと減衰せずに永久電流が流れます。 このことを利用して電力貯蔵の研究もおこなわれています。 このように産業や工業,医学に超伝導の技術が使われていますが, 超伝導は低温に限って現れる現象であるためにまだ普及するには技術的な困難があります。 簡便に低温を得る技術を開発することと共に, 高い温度で超伝導転移する物質を作る研究が世界各地で行われています。 超伝導現象と社会とのかかわりや超伝導研究の歴史や現状を紹介します。

2. チョウの羽化観察会
対象 小学生 ~ 高校生,および保護者
受講者数 50名程度
講師 生物・化学領域 教授 松岡 有樹

春の女神と呼ばれる美しい蝶「ギフチョウ」に関する講演を行い, その後ギフチョウが羽化する姿を実際に観察してもらいます。 生物の素晴らしさや自然の美しさを体験し, 人間と環境の関わりについて関心を持ってもらいたいと思います。

3. ゾウリムシの食胞の観察
対象 小・中学生
受講者数 20人程度
講師 生物・化学領域 講師 西山 学即

教科書に載っている身近な原生動物であるゾウリムシを実際に観察し, 単細胞生物の食事の方法である食胞の観察もでき理科(自然・生命) に対して強い関心を持つことができる。

技術講習会 (6講習会)

1. 液体窒素を使った演示実験: より安全に行うために,より深い理解を得るために
対象 小中高教員など演示実験を行う方
受講者数 最大10名程度
実施方法 1時間程度の講義と液体窒素を使った実習
講師 数物・情報・統計科学領域 教授 開 康一

一気圧の下での液体窒素の沸点は77K(マイナス196℃)。 液体窒素を使うと, 物質の三態や相転移を目の当たりにすることができます。 物質の相変化以外にも室温の1/4程度にまで熱エネルギーが減少することで物質の電気伝導性や磁性が大きく変化することも観測できます。 身近な材料を用いて熱力学や物性物理を説明できるので夏休みの理科体験などで液体窒素を使う演示実験は多く行われていますが, 取り扱いを誤ると事故につながる懸念があります。 液体窒素やドライアイスなどの寒剤を用いたいくつかの演示実験とその背後の科学的意義,また,演示実験で寒剤を扱う上で注意すべきこととを説明します。

2. 血球細胞のイオン組成
対象 高校生・小中高等学校理科教員
受講者数 10名程度
実施方法 1時間の講義と1時間の実習・参加費なし
講師 生物・化学領域 教授 松岡 有樹

ブタ血液を用いて,

  1. 種々の浸透圧溶液下における形態変化の観察
  2. 細胞内外のイオン濃度の直接測定

を行い,細胞内外におけるイオン組成の相違について学びます。 生理学的には極めて重要であるにもかかわらず, 生物の血液を用いた実習はあまり実施されていません。 本講習は,血液の扱い方や性質などを学ぶ貴重な機会となります。

3. 大腸菌を光らせてみよう
対象 中学校・高等学校 理科(生物)教員
受講者数 5名程度
実施方法 1時間の講義と2時間の実習・参加費なし
講師 生物・化学領域 准教授 五十嵐 城太郎

遺伝子発現の仕組みについて,実習を通じて理解し, 教育現場における実験授業に活用できるようにする。 本実習では,大腸菌に緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子を 含むプラスミドを形質転換させることによって, 遺伝子発現の仕組み(オペロンモデル)を体験する。

4. 簡単なDNA抽出実験
対象 中・高校生または小中高教員
受講者数 20名程度
実施方法 30分程度の講義と1時間程度の実習・参加費用なし
講師 生物・化学領域 講師 西山 学即

“ 新聞などで何かと話題に出てくるDNAを実際に抽出し理科に対する興味を持ってもらう。 また,小中及び高校の理科の実験で,簡単に分子生物学の基礎的な原理を教える実習を安価に行える。”

5. SPSSによる統計データ解析 ~ 基礎編 ~
対象 高卒以上
受講者数 20名程度
実施方法 本学の情報処理演習室において講義と演習を組み合わせて行う。
講師 数物・情報・統計科学領域 准教授 安達 隆

テキストを用いながら,統計解析の基礎概念とSPSSの使い方を学ぶ。 統計解析の基礎概念とSPSSの使い方が身に付く。 柳井晴夫・緒方裕光編著「SPSSによる統計データ解析」第Ⅰ部基礎編を テキストとして用いて情報処理演習室でコンピュータを実際に使いながら学習する。

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