FUKUSHIMAいのちの最前線
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第4章患者救済に奔走した活動記録〈論文・研究発表〉FUKUSHIMA いのちの最前線291です。 最後に、整形外科医の活躍の場は、避難所で「体を動かすこと」への関与です。本学は、県のPT協会にお願いして指導と実践をお願いしました。体を動かすことが心身にどれほど重要かは、近年のEBMが明らかにしていることです。ただ、我々整形外科医は、年齢、心身の状態に応じた運動処方、そして体を動かすことの必要性を、患者に分かりやすく説明することができるでしょうか。一度立ち止まって自らを省みる必要があると感じました。 今後、これらに我々がどのように関わっていくのか、あるいは、関わっていける力をつけるかは、整形外科医の将来を左右する要素の一つになるのではないかと感じました。これに対する教育体制が、我々にできているとは思われません。一方、我々は外科医であるからこのような教育は必要でないとするなら、「運動器のプロ」の看板は外すべきです。そして「手術」に専念すれば良いのです。我々は、今こそこの問い掛けに向き合うべき時です。一時受け入れの患者さんを搬送するため、救急車が待機中(3/21撮影)

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