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福島県立医科大学解剖慰霊祭

医学教育、学術研究の進展のため、本学においては、系統解剖(学生の教育のため、人体の正常な形態と構造とを解明するもの)、病理解剖、法医解剖を行っています。
  〔平成21年 9月 1日から平成23年 8月31日までで277体(系統解剖:62体、病理解剖:40体、法医解剖:175体)、累計15,042体〕
その尊いご遺体を捧げた故人の徳を偲び、御霊の冥福を祈るため、本学では遺族、来賓を招き、本学教職員、学生の出席のもとに、毎年秋に解剖慰霊祭を執り行っています。


第62回 福島県立医科大学解剖慰霊祭 学長式辞  (平成23年10月26日)

   

第62回福島県立医科大学解剖慰霊祭を挙行するにあたり、御臨席いただきました御遺族の皆様、並びに御来賓の各位とともに、教職員、学生一同、ここに謹んで御霊前に追悼の意を表し、御霊の安らかならんことをお祈り申し上げます。

本日、慰霊のお供えをいたしました御霊は277柱であり、これまでに併せて1万5,042柱をお慰めしてまいりました。
皆様は、自らの御意志と、御遺族の方々の深い御理解、御協力のもとに、医学及び看護学の教育・学術研究のため、また医学の向上・発展のために御遺体を解剖に供してくださいました。
その崇高な御心に対し、深甚なる敬意と感謝の念を捧げる次第であります。

解剖とは、現在に生きる我々が御遺体から学び、学んだことを目の前にいる病に苦しんでいる人々に生かし、そしてそれを未来に伝える営みであります。
この営みを継続することにより、今の世代を通して、前の世代が次の世代に伝えたい想いが受け継がれてゆきます。

その「解剖」には、大きく分けて2つの種類があります。
まず、系統解剖は、医療人への道を歩み始めた学生が、人体の複雑な構造や機能を正確に学ぶ重要な課程であります。しかし、それにも増して、「生命の尊厳」を認識し、「医療を志す者としての使命感」を強く自覚する貴重な教育の機会であります。
また、医療の知識や技術の進歩には、解剖学的研究は欠くことができません。
次に、病理解剖は、不幸にして病に倒れ亡くなられた方々の御遺体を通して、正確な病態を知ることにより、疾病に対する診断の的確性や治療効果などを検証し、疾病の成り立ちや、より良い治療方法を解明する手がかりを得るために行われます。
人類が病との闘いに打ち勝つためには、病理解剖の果たす役割は極めて重要であります。
皆様の尊い御意志が、医学・看護学を志す人間や従事する人々への貢献は計り知れません。

私どもは、今後とも、常に「心」を教育・研究・診療の中心に据えることで、向学心に燃えた学生や教職員が集う魅力ある大学へと更なる成長を続けてまいります。
それとともに、医療や看護とは何かという問いを常に自らに問い掛け、病める人々への共感の提示、そして疾患へ挑戦する努力を惜しまないことを、ここに改めてお誓い申し上げます。

謹んで、皆様の御高徳を偲びつつ、その御霊が安らかならんことをお祈りいたしますとともに、御遺族の皆様をはじめ、御参列の皆様の御多幸をお祈り申し上げまして、式辞といたします。

 

平成23年 10月 26日
福島県立医科大学 学長  菊地 臣一


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