図1のように観測者と光源の間にレンズ天体があるとする。観測者-レンズ天体 間,観測者-光源間,レンズ天体-光源間の距離をそれぞれ とする。 また,レンズ天体を含み視線方向に対して垂直な平面をレンズ面,光源を含み視 線方向に対して垂直な平面を光源面と名付ける。本来重力レンズ効果を受けなけ れば,光源はレンズ天体に対して の角度(実際の観測 では知ることができないのだが)に見える筈である。しかし,レンズ天体の重力 によって光路がレンズ面で角度だけ曲がるので,レ ンズ天体に対して の角度のところに光源の像が観測 される。この様子を観測者から光源面へ射影したのが図2である。ここで, と はそれぞれ光源 面に射影したレンズ天体に対する像と光源の位置である。 と の差がレンズ効果によって光路が曲げられた結果で である。すなわち, の関係が得られる。一般に,光の曲がり角は光がレンズ面のど こを通るのかによってきまる。従って,は の関数で与えられる。先の式の を右辺に移項して,両辺をで割ったもの が,所謂「レンズ方程式」である: