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超音波内視鏡画像をガイドに、膵癌に穿刺して細胞を採取しているところです。

なぜか海岸沿いが多い、
当講座関連の米国留学先!

当講座所属医局員の国内外留学先
これまでに当講座医局員がお世話になった国内外留学先を以下に記します。

国内
久留米大学
愛知県がんセンター
東京医科歯科大学

海外
米国国立衛生研究所
カルフォルニア大学サンディエゴ校
フロリダ大学
テキサス大学
サウスカロライナ医科大学
エール大学
Califolnia pacific medical center


                
         
カリフォルニア大学サンディエゴ校にて(DR. Abe)            テキサス大学(UTMB)

リウマチ膠原病分野

免疫・炎症は近年最も研究が進んだ分野の一つですが、その勢いはとどまるところを知らず、基礎から臨床への応用も実現可能になってきました。当講座は60年の歴史の中で、免疫・炎症性疾患の診療にあたりながら、基礎的な研究を続けてきました。現在の主な研究内容は以 下のとおりです。


1)ループスモデルマウスを用いた腎炎、脳炎の研究

2)関節炎モデルマウスを用いた抗炎症療法の研究

3)中枢神経性ループスの病態解明と特異的自己抗体の検出

4)ベーチェット病における自然免疫の関わりと遺伝子変異

5)関節リウマチの診断と治療に有用な新しいマーカーの確立


これらの基礎的な研究に携わる事で、臨床への理解も深まります。また、免疫・炎症性疾患は臓器特異的ではないので、他分野との共同研究も盛んで、これから益々発展することが期待されています。

胆膵分野

様々な胆膵疾患の病態研究や治療法の開発などをテーマとし、遺伝子解析なども加味した内視鏡を用いた臨床研究を中心に行っています。以下に代表的なものを記します。

1)上部消化管領域同様に、超音波内視鏡下穿刺術を2001年から診療に導入し、Interventional EUSを軸とした膵疾患の診断と治療について様々な検討を行っております。基本的には、ほとんどの膵疾患に対してInterventional EUSを行い、病理学的確定診断、抗癌剤感受性試験、癌への直接的穿刺による免疫療法、癌性疼痛管理としての神経ブロック、閉塞性黄疸治療など、従来は行われていなかった斬新かつ安全な検査・治療法の確立に向けて様々な検討を行っています。その成果は国内外の各学会におけるシンポジウム等でも発表し、高い評価を得ています。


2)超音波内視鏡を用いた急性膵炎・慢性膵炎の診断と治療についても研究しています。内容としては、慢性膵炎の早期診断における超音波内視鏡の有用性についての検討、膵炎後の仮性嚢胞に対するInterventional EUSによる治療についての検討などが挙げられます。


3)内視鏡的逆行性胆膵管造影検査においては、急性膵炎という偶発症の克服が課題であります。当講座では、内視鏡的手技面からのアプローチとして、新たなデバイス開発と操作法開発を試みており、また、遺伝子学的アプローチからも急性膵炎発症のメカニズムを検討しております。


 消化器リウマチ膠原病内科 研究紹介
肝臓分野

広く肝疾患の病態の解明と治療法の確立に精力を注いでいます。特に、自己免疫性肝疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変)の研究では、今まで多くの成果をあげております。

1)自己免疫性肝疾患における発症・進展を規定する遺伝因子の網羅的遺伝子解析    (Genome-wide association study:GWAS)を他大学・研究施設と共同研究を進めております。
2)自己免疫性肝疾患と新たな自己抗体の探索
診断や活動性評価に有用な自己抗体の探索を種々の手法を用いて行なっています。これまで、原発性胆汁性肝硬変患者において、好酸球顆粒蛋白の1つであるEPOに対する自己抗体を発見しています。またプロテオミクスを用いた自己免疫性肝炎における自己抗体の網羅的解析も進行中です。

3)自己免疫性肝疾患における新たな治療法の開発
原発性胆汁性肝硬変におけるフェノフィブラート治療、自己免疫性肝炎におけるステロイド治療抵抗性に関する検討や免疫抑制剤の選択など臨床的見地から、有効な治療法について研究しています。

4)自己免疫性肝疾患/肝細胞癌における正と負の細胞性免疫応答の解明と治療への応用
自己反応性T細胞による攻撃と制御性T細胞による抑制のバランスの破綻が、疾患の発症、疾患活動性、予後に影響を与えているとされています。このようなことから、制御性T細胞の数や機能を特異的に調節して破綻したバランスを正常に戻すことが、疾患の発症の予防・治療につながる可能性があると考え、現在は基礎的検討を進めています。

5)肝細胞癌における抗原特異的細胞性免疫応答と癌免疫療法への応用
これまで、癌抗原特異的な細胞性免疫応答を高めて強い抗腫瘍効果をえる方法について基礎的検討をおこなってきました。これらの研究成果を基にして、肝細胞癌抗原のCD8+エピトープペプチド療法を、臨床応用するための準備を現在進めています。

6)非アルコール性肝疾患(NAFLD)における性差の検討
NAFLDにおける性差の違いに関して性ホルモンとそのレセプターに着目し、基礎および臨床的検討を進めております。

消化管分野

上部消化管関連
様々な上部消化管疾患の病態研究や治療法の開発などをテーマとし、内視鏡を用いた臨床研究を中心に行っています。代表的なものを記します。

1)早期食道・胃癌に対する内視鏡的治療法として、内視鏡的粘膜下層剥離術が広く行われていますが、現行の治療法をさらに進化させるべく新たなデバイスの開発も視野に入れて臨床検討を行っております。

2)本邦における食道胃静脈瘤に対する内視鏡的治療の確立には、当講座での研究内容が大きく寄与してきました。また、当講座で研究した「超音波内視鏡を用いた静脈瘤血行動態の解析」に基づく病態は、門脈圧亢進症取扱規約にも記載されているほか、世界的にも広く受け入れられています。現在はこれらの検討を基本とし、患者様個人の食道静脈瘤血行動態に基づいたテーラーメード治療の確立に向けて研究を行っています。

3)近年は超音波内視鏡下穿刺生検が普及し、これまで診断が困難であった消化管粘膜下腫瘍も簡便に診断ができるようになりました。当講座では本邦では魁の域に入る2001年よりEUS-FNAを行っており、消化管関連分野としてはGISTの診断と病態についての研究も行っております。

4)胃腫瘍治療としての消化管全層切除および縫合について、動物を用いた実験的内視鏡導入し検討を進めています(テキサス大学とのコラボレーション)。

下部消化管関連
潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)は、病因・病態が未だ明らかにされていない難治性免疫疾患です。近年、我が国においてIBDは著しい増加傾向にあり、原因究明と根治的治療の開発が必要とされています。 IBDの発症機序の一つとして腸内細菌およびその菌体成分に対する炎症や腸粘膜免疫の調節障害が考えられていますが、私たちのグループでは自然免疫系を中心に炎症性腸疾患との関係について、マウスを用いたBasic researchやIBD患者さんの検体を用いて基礎研究を応用するTranslational researchを行い、実際の臨床における疑問点を解明し、また臨床にフィードバックすることを研究活動の目標としています。
 
Toll-like receptorを介した自然免疫による炎症性腸疾患の制御
自然免疫の認識機構の一つとしてToll-like receptor(TLR)が発見され、最近では、TLRリガンドの大腸粘膜傷害からの保護作用が報告されています。私たちはマウス実験腸炎に対してTLR9のリガンドであるCpG DNAを投与し、TLR9の活性化により産生されたT型IFNが腸炎抑制効果を示すことを報告してきました。またヒトにおいてTLR9は形質細胞様樹状細胞(pDC)に発現しており、CpGDNAによる刺激で大量のT型IFNを産生することがわかっており、IBD患者におけるpDCの働きを検討することで、IBDの発症メカニズムの解明および新規治療開発につながるのではと研究を行っております。

            
公立学校法人 福島県立医科大学医学部 消化器・リウマチ膠原病内科学講座(旧第二内科)

Department of Internal Medicine II
Fukushima Medical University School of Medicine

○○クリニック
intmed2@fmu.ac.jp

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