心臓血管外科で扱う疾患の一部(冠動脈疾患、動脈瘤、閉塞性動脈硬化症)は全身の動脈硬化と大きな関係があり、その予防が大きなポイントです。動脈硬化の原因として、高血圧、高脂血症、タバコ、糖尿病、肥満、ストレス等が揚げられます。患者さんのご理解を頂きながらこれらをコントロールすることが基本です。
また、血液の凝固を抑制する薬(ワーファリンという抗凝固剤や抗血小板剤)を必要とする疾患も多く(心臓弁膜症、冠動脈疾患、末梢動脈虚血性疾患、静脈血栓症等)、出血しやすいため怪我や事故には注意が必要です。ワーファリンを内服している患者さんは、血液の固まり具合(トロンボテスト)を採血で測定しコントロールする必要があり、納豆やクロレラはワーファリンの効果を減弱し血栓症等の合併症を起こす可能性があり厳禁です。
<主な疾患の外来診療の方針と注意点>
◆心臓弁膜症:心不全と不整脈の予防と治療。心臓エコーによる人工弁の評価、心機能の評価。機械弁を使用している患者さんではトロンボテストによるワーファリン量の調節。
◆冠動脈疾患:エコーによる心機能の評価。狭心症状の発見。不整脈の早期発見と治療。抗血小板薬の服用。基礎疾患(糖尿病、高脂血症、高血圧症)の治療。
◆動脈瘤、大動脈解離: 血圧コントロールが重要。大動脈径の拡大傾向の評価と他部位動脈瘤の出現をCTで経過観察。
◆末梢動脈虚血性疾患: タバコ厳禁。ドップラー血流計による末梢動脈血流、バイパス血流の評価。ワーファリン量のコントロール。血流の低下と症状の悪化を認める場合は血管造影を行い手術を考慮。
◆ 静脈血栓症、リンパ浮腫:浮腫がある四肢は感染を起こしやすく、清潔が重要。弾性ストッキングによる圧迫を行い、浮腫をコントロール。浮腫を軽減する薬の投与や静脈血栓症ではワーファリン量コントロール。