分子治療学部門先進腫瘍核医学ユニット

ユニットの概要

がん治療のなかで、放射性核種を付けた薬剤を患者さんに投与して病巣に集積させ、そこで放射線を出して治療する方法を標的アイソトープ治療あるいはRI内用療法と呼びます。薬物療法や放射線治療などの“いいとこ取り”をした治療です。核医学というのは放射性核種を利用した医学と医療の分野です。がん細胞に結合する物質にγ線放出核種を付けた薬剤で病巣を正確に診断してα線やβ線核種を付けた薬剤で治療します。

新しいがんの診断と治療を開発するのが先進腫瘍核医学ユニットです。


中型サイクロトロン(MP-30) 平成27年11月に搬入され、平成28年度稼働予定。 治療に用いられるα線やβ線を放出する放射性核種を製造します。

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抗体にキレートを介してα線核種(211At)を付けた薬剤は、がん細胞の表面にある抗原に特異的に結合します。

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がん細胞に結合した薬剤の211Atからα線が放出されがん細胞を攻撃します。 α線は細胞を傷害する作用が強く、飛程が短いため正常な臓器の障害が少ないのが特徴です。

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標的アイソトープ治療(RI内用療法)を行う病床を備えた病棟(完成予想図、平成28年度稼働予定)

ユニットの活動内容

新しいがんの診断・治療薬を開発します

臨床で使用することを目指し、がんの患者さんに役立つ新しい放射性化合物を提案し研究開発を行います。放射性薬剤ユニットで放射性化合物を製造します。

放射性薬剤の有効性と安全性を確かめます

PET/SPECT/CT装置やMRI装置などで薬剤の体内での動きや作用を調べ、合成した薬剤ががん病巣に届いて効果を発揮するか、安全か、まず動物実験で確かめます。

有効性と安全性を確かめます

開発した薬剤を患者さんに届けるための最終段階の試験です。臨床試験で有効性と安全性を調べ、有用な薬剤であることを検証します。

新しい治療薬を患者さんに届けます

必要な患者さんに先進医療として病院内で使用したり、あるいは製薬企業が医薬品として販売し保険診療として使用します。